自分がいま働いている会社は社員数数万の世間から見たら大企業という分類に入る。
そして大企業である弊社の組織としての仕組みが感心するぐらいよく出来ている。
そこが僕がこの会社の大大大大大嫌いな面でもあるのだが。
ということで、今日は僕を「会社の歯車の一つ」として扱う、
素晴らしくよく出来た大企業の仕組みについて考えてみたい。
大企業の社員は歯車。毎日同じ仕事、そして壊れたらいつでも交換可能
1 仕事はこれでもかというぐらい細分化
僕がいまの仕事をつまらなく思っている一番の原因がこれ。
開発部門、生産部門、営業部門、購買部門と部門ごとに業務内容が別れているのはもちろんのこと。
その部門の中でも仕事が細分化されている。
例えば、一般的な会社では経理は経理部門、人事は人事部門と独立して置かれていると思う。しかし弊社は、経理部門、人事部門が存在するのはもちろんのこと、開発部門や生産部門の中にも、開発経理、生産経理、開発人事、生産人事などのグループが置かれている。
要は、開発部門のお金だけを専門に扱う人や、開発人員の人事管理だけを専門に扱うスペシャリストがそれぞれ配置されている。
そして経理や人事などはわかりやすい例として取り上げたが、
会社全体として、一つのことに特化したスペシャリストを育てるという雰囲気がある。
僕はこの弊社の風習が何よりも嫌だ。
この会社にいると、この会社でのし上がっていく力しかつかない。
これほど業務内容が特化していると、転職もままならない。
ましてや、自分の目指す起業。
幅広い能力が必要とされるのに、
ひたすらこんな一部分の作業のみばかりの会社じゃ、
自分の成長もいつまで経ってもできない。
たしかに今の仕事に対しては、誰にも負けないぐらいのプロフェッショナルにはなれるだろう。
しかしそもそも、自分はいまの仕事が嫌いだ。
希望した部署とはまるっきり違うし、明らかに自分に向いていない。
弊社は社員数数万人の企業であるので、それぞれの部門の業務量もかなり膨大だ。
だから業務をかなり細かく細分化し、各人をスペシャリストとして育てることは、とても効率よく利益をあげることができる。
しかし実際に働いている身としては、とにかくつまらない。
我ながらよく出来た「歯車」ならぬ「社畜」養成システムだと思う。
2 明日自分が居なくなっても問題なく会社は回る
最近自分のグループの管理職がうつ病にかかって、
いま現在で1ヶ月半休んでいる。
自分のグループは、十数人のグループで、
その管理職が休むとなると、業務にかなり支障があるのかと思いきや、
何の影響もなく、仕事は回り続けている。
他の管理職が、これまでのキャリアで彼の仕事を担っていた時期があるので、
結局休職している社員1人分の仕事を、2人の管理職が引き受けるということで、
誰かが欠けようが、グループの仕事には全く影響が無い。
そして、僕もこの前この恩恵を受けた。
彼女と1週間の海外旅行。
他の会社だったら1週間も休みを取るなんて、かなり難しい話だと思う。
しかし、僕が休んでも以前業務を担当していた先輩方が、
僕の休んでいる間の仕事を分担して引き受けてくれる。
要は、たった十数人のグループでも1人ぐらい欠けるなんてどうってことないのだ。
この点は、素直にすごい仕組みだと思う。
大学の頃にしていたバイトは、常に最小人員でシフトを回していた。
そのため、誰かが急に休んだりすると、その日の仕事はとんでもなく目が回るほど忙しくなる。
しかし、いまの仕事は、不思議と1人休んだぐらいでは出社している社員に対してそこまでのしわ寄せが出ない。
突然、社員が退職したとしても、その仕事を他の社員がカバーできるように仕組みが構築されている素晴らしい組織構造だ。
そして「大企業のサラリーマンは歯車」という言葉をよく表していると思う。
常に不良の歯車は替えが効くような仕組みが無意識のうちに構築されている。
3 まとめ
就活生の頃は、大企業ならではの莫大な利益を生み出す仕事に憧れを抱いていた。
しかし実際に入社してみると、莫大な利益を生み出すためにこそ、それぞれの社員の仕事はとても小さな規模に細分化されている。
組織として、仕事が分業されて各人に役割が分担されていることは、
最も効率的に利益を生み出せる姿だ。
しかし実際に働いている身としては、とにかくつまらない。
僕は、一人でもっと色々な仕事をしてみたい。
経理も営業も一人で何でもできるビジネスマンになりたい。
しかし企業側からすると、このやり方を取ってしまうと、
その社員が辞めてしまったら、一気に仕事が滞ってしまい、会社が回らなくなってしまうリスクが生じる。
ということで、僕は歯車のサラリーマンではなく、
なんでもできるビジネスマンになることにした。
そして、それはいまの会社では叶わないし、
多分、どんな会社に行っても雇われ人であるからには、この願いは叶わないと思った。
だから、起業して自分一人で全ての仕事をこなす。
そして、大嫌いないまの会社だが、
この強い組織の作り方は、今後自分の会社を作る上でとても勉強になった。