最愛の彼女に浮気された男の努力記

彼女に浮気されてフラれた車好き25歳。起業してお金持ちになってスーパーカー買ってもう一度彼女を振向かせるまでの記録。

自動ブレーキ=ぶつからない車?日産ディーラーで発生したセレナ試乗追突事故と日本の自動車開発の裏事情

2017年、千葉県でプロパイロット付きのセレナが追突事故を起こした。

そしてこの事故単なる追突事故などではない。

セレナの試乗中、ディーラーの営業マンがブレーキをかけないよう顧客に指示したところ、衝突してしまった。

という何とも痛すぎるニュース。

 

結果、助手席の営業マンと上司の店長が書類送検されたのは当然のこと、

試乗に来ていた顧客まで過失運転致傷容疑で書類送検されてしまった。

もし自分がドライバーだったらと思うと、顧客には同情の気持ちしかない。

 

セレナ試乗車追突事故をきっかけに振り返る、メーカーと国交省のたたかいのきろく【自動ブレーキ編】

 

窮地に陥った日産と新型セレナ?国土交通省からは意外にもお咎めゼロだった

こんな日産が100%悪いと言えるような事故、

本来だったら国土交通省から業務改善命令とか販売停止処置などキツいお叱りを受けるはずである。

しかし、意外にも国土交通省からのお咎めは一切なし。

あったのは報道発表資料1枚のみ。

www.mlit.go.jp

内容も

「自動運転を過信してはいけません!!」

という何ともゆるーいもの。

せっかく一生懸命作った新型セレナ不振の危機だった日産からしたら、ほっと胸をなでおろしたこと間違いない。

というのも、ここに国と自動車業界のただならぬ蜜月関係がある。

 

バカな国土交通省のせいで日本の自動ブレーキ技術は大きく遅れた過去

話はさかのぼること、2003年。

トヨタは世界で初めてハリアーにプリクラッシュセーフティシステムなるものを搭載した。

ミリ波レーダーで前方の障害物を感知しておき、衝突の危険があると判断したら、ブレーキの油圧を車が自動で上げておき、ドライバーが少しでもブレーキを踏んだ瞬間にフルブレーキ状態になるという、

世界の自動車メーカーもびっくりな現在の自動ブレーキ技術のはじまりである。

そしてその後、スバルが油圧を上げるだけではなく、車が自動でブレーキをかけるシステムを開発した。

しかし、当時の自動ブレーキはあくまでブレーキをかけるだけで最後は必ずぶつかった。

ちなみに自動でブレーキをかける技術を開発できたメーカーにとって、車を自動停止させぶつからないようにさせることなど実に簡単。

じゃ、なぜ当時の車が必ずぶつかったのか?

それは国土交通省が何をトチ狂ったのか、

「自動ブレーキによる被害軽減は良いことだが、必ずぶつけるように」

という狂気とも言える指導を各メーカーに発令したからだ。

 

国交省の言い分としては、

「車が自動で停止できるようになってしまうと、ドライバーが気を抜いて前方に注意をしなくなったり、ブレーキを踏まなくなったりして、事故が増える」

という考えから、日本の自動車メーカーにぶつからない車を作ることを禁止した。

結果、世界で一番最初に自動ブレーキ技術を作ったはずの日本が、海外メーカーに大きく遅れることになってしまった。

 

ボルボと喧嘩になりようやく動いた国交省、態度を一変

そんな日本の自動車メーカーの開発がストップさせられる中、

ヨーロッパのメーカーは積極的に車を停止させて衝突被害を防ぐ仕組みを開発し、どんどん新車に搭載していった。

中でもボルボは特に熱心に取り組み、当時自動ブレーキにおいて世界最先端の地位まで登りつめた。

そんなボルボがついに自動ブレーキ搭載車を引っさげて日本市場にも参入しようとしたところ、

前述の国交省が訳の分からないことを言っている・・・。

しかしここで諦めないボルボ

国交省とすったもんだし、しまいには「ヨーロッパでは当たり前に認められている技術だ!」とEU関係者も巻き込み、

日本でも車を完全停止させる技術の販売が認められるようになった。

 

国に足を引っ張られた日本メーカーが取った対応。「ぶつからない車?」誕生

本来、怒りに怒って良いはずの日本メーカー。

大体、消費者の安全を考えて作った技術を無下に禁止して、海外メーカーの圧力で手のひら返しをした国交省

しかし、とある自動車メーカーがこの国交省への「貸し」を上手いこと利用した。

自動ブレーキ搭載車を「ぶつからない車?」といった宣伝のもと売り出したのだ。

この疑問符「?」が重要!2017年にセレナがぶつかっているように、自動ブレーキ搭載車は決してぶつからない車という訳ではない。

というか、個人的には2019年現在も「ぶつからない車」というよりも「ぶつからないこともある車」と言うべきだと思う。

ということで、メーカーの過剰広告間違いないこの表現。

乗り物は一歩間違えれば簡単に人を死傷させてしまうもの。だから分かりやすく誤解のない宣伝表現というのは何より大切だ。

そして普段ならこんな怪しい宣伝した瞬間に国交省から厳しい問い合わせがやってくるはず・・・。

しかし、国交省からは音沙汰なし。

「お!なんか今回は違うぞ(笑)!」と嗅ぎつけた他のメーカーも、

出遅れるな!とばかりに「ぶつからない車」という表現を使い始め、

ついにはいつの間にか「?」すら使わなくなってしまった。

こうして現在にも続く、「ぶつからない車」というCMが出来上がった。

 

燃費不正や広告表現にはやたらとうるさい国交省、しかし自動運転に関しては完全に沈黙

国交省というのは自動車メーカーにとって本当にうるさいものだ。

燃費不正とかに関しては特に目を光らしている。

三菱が燃費を意図的に改ざんして不正扱いされたのは分かる。

しかしスズキなんて、実際の燃費よりも低い燃費をカタログに書いていたのに不正扱いされてしまった。

改ざんの意図などなく、国交省が定める基準よりも厳しい自社基準で計測しており、結果としてお客様の利益に繋がっているというのに、不正扱い。

そんなうるさい国交省も自動運転に関してはなぜか静か。

正直CMに関してはメーカーのやりたい放題。消費者に誤解を与える宣伝がまかり通っているというのが現状。

そしてそんな中、セレナの試乗車追突事故が起きてしまった。

 

メーカーからしたら迷惑なセレナ追突事故。しかし回り回って考えてみると本当に悪いのは?

話を戻そう。

冒頭で述べた、千葉の日産ディーラーによる試乗車セレナ追突事故、

・夕暮れ

・雨降り

・被害車は黒い車

というプロパイロットシステムにとって一番やっちゃダメな条件の下で行われた。

そして何よりもそれをディーラーの営業マンがお客様に指示したという、とんでもない話。

大体、メーカーの開発でさえ万が一の場合に備えて、自動ブレーキ実験の障害物には実車ではなく、等身大の車の絵を使うというのに、

それを公道で無関係の車相手にやってしまった営業マン。

あまりにもお粗末すぎる。

 

しかし、考え方を変えたらこの営業マンも被害者の一人なのかもしれない。

いまやメーカーの過剰広告により多くの人が自動ブレーキ搭載車に対して誤解している現状、

あの営業マンもメーカーの広報を真摯に信じ込んでしまった忠誠心の厚い社員だと考えることもできる。

そしてメーカーのCMを信じた結果、とんでもない事故を起こしてしまった。

ちなみにメーカーは「ぶつからない車」を大々的に宣伝する裏で、

プロパイロットは一般道で使わないでください。という注意もこっそりしている。(おそらく誰も知らないだろうが・・・)

となると、メーカー側の自分たちからすると今回の事故に関して「余計なことをしてくれて!」と一瞬思うが、

よくよく考えてみると、待てよ。本当に悪いのって・・・?

 

 

なんだか予想外の国交省の対応と、特に大きなニュースにもならずに終わってしまった今回の試乗車セレナ衝突事件。

事実だけを見ると、セレナはとんでもない危ない車と思われるかもしれないが、

自動運転技術に関しては日本最高峰に位置する車だ。

実際ライバルのヴォクシーには自動で前車を追従するクルーズコントロールやステアリングアシストは付いていないがセレナには付いているし、

何よりセレナは日産最高級車であるフーガやシーマにも未だ搭載されていないプロパイロットシステムが搭載されている。

ということで、

ミニバンを選ぶならセレナ!セレナは安心安全・・・

と言いたいところだが、そう言い切れないのが現在の自動運転技術。

完全自動運転はまだまだのこと、「ぶつからない車」の本当の実現もまだ先のことになりそう。