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自動車メーカーイメージと特徴まとめ【外車・イタリア編】

世界で一番かっこいい車。と言ったら、やはりイタリア車を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?そんな筆者も世界で一番かっこいい車はフェラーリだと思っている車好き。ということで、今日は工業製品としてはドイツに負けるけど、なぜか人を惹きつける不思議な魅力があるイタリアの自動車メーカーのイメージと特徴を独断を交えて書いてみました!これを読めば、あなたもきっとイタリア車の不思議な魅力に取り憑かれます!!

 

とある国産メーカー社員が語るイタリア車メーカーのイメージと特徴まとめ

 

フェラーリ

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引用元:https://motor-fan.jp/article/10009419

たいていの人から世界一高いと思われている自動車メーカー。だけどフェラーリってスーパーカーの中でも割と安い方。もっと高い車作っている自動車メーカーって実はいくらでもあるんですよ。創業者はアルファロメオレーシングドライバーであったエンツォ・フェラーリ

フェラーリ社が誕生したきっかけは、エンツォ・フェラーリアルファロメオから独立し、自分のレーシングチームを持ったこと。自動車会社としての歴史は意外と新しく、市販車を作るようになったのは実はここ70年ちょっとの話。ちなみに現在の一番のライバルであるランボルギーニ創業者は、70年前にフェラーリが市販車を作り始めた最初期のお客さんで、「暑い!」「うるさい!」「乗り心地が悪い!」「故障が多い!」という初期のフェラーリ車のトラブルに怒って、クルマづくりを始めたというのは有名な話。

ちなみにそんなトラブルだらけのフェラーリ車を象徴するように、創業者のエンツォ・フェラーリ、なかなかのトラブルメーカーな人物で、「『スポーツカー』という名前は、公道での使用を前提だと客から思われるから使うな!」とか「乗り心地や快適性を求める客は軽蔑する」「12気筒エンジン以外はフェラーリと認めない」など・・・とにかく上司に持ったら厄介極まりない人。

しかしこんな堅物なエンツォのこだわりも功を奏して、次第にクルマづくりが評価され、レースでは大活躍、市販車販売も順調に伸びていったフェラーリ・・・。

だったが、クルマづくりに関しては天才的なエンツォ、経営センスについてはお世辞にも優秀とは言えず、モータースポーツへの過剰投資、手作業の多い原始的な生産設備、息子の死、妻の精神病などが重なり、会社は次第に傾き始める。そしていよいよエンツォの経営に対して抗議をした部長たち8人、なんと怒ってエンツォの独断で全員解雇。1960年代についにフェラーリは倒産の危機に陥る。ちなみに後から冷静になったエンツォ、この部長たちに会社に戻るようお願いするも、8人誰も戻らなかったというから、どれだけひどい上司だったか想像できる。

そしてさすがにヤバいと思ったのか、それまでのプライドを捨てて、「安い」「12気筒じゃない」「スポーツカー」を作り始めたエンツォ。しかし経営はそれほどうまく行かず、ついにはアメリカ大手のフォードから買収の話を提案される。そしていよいよ買収交渉のためにイタリア本社にやってきたフォード首脳陣たち、ただここで一悶着起こすのがさすがトラブルメーカーなエンツォ・フェラーリ

はるばるイタリアにやってきたフォード首脳陣たちに「お前らみたいな大企業と機械みたいな仕組みの下で働くなんてムリ」「フォードってレース弱いじゃん」など言い放ち交渉決裂。さすがにこれにはフォードもブチギレて、創業家子孫のヘンリー・フォード2世の半ば私怨とも言える「打倒フェラーリ!」キャンペーンを発生させてしまう。ちなみにヘンリー・フォード2世、私財を投じてフォードのモータースポーツ活動に莫大な投資を始めて、名車フォード・GTが誕生すると共に、3年後フェラーリル・マンでフォードに破られるというきっかけを作ってしまった。

で、なんだかんだあって、同じイタリアの自動車メーカーであるフィアットに助けられ、数々の名車を世に送り出しながら現在に至ったのがフェラーリの歴史。

ちなみにぶっ飛んだ人間というのはやっぱり強く、エンツォ・フェラーリはその後80歳まで多忙な毎日を過ごし、F1界のドンになったのはもちろんのこと、ついにはイタリアにおいて、「北の教皇」(南の教皇はもちろんローマ法王)と呼ばれるほどイタリアで強大な影響力を持つようになった。

そんなフェラーリの車、世界一速いと思っている人も多いけど、実は音と値段の割にはそれほど速くない。価格的にも安い日産・GT-Rやポルシェの方が速いことなんてザラ。しかしフェラーリにそんなことを求めるのは野暮な話。フェラーリはいわば芸術品を所有する喜びを味わうための車。現に中古でフェラーリを売りに出すと、ほとんど値が落ちず、「これは本当に自動車?」と思うようなびっくり価格が付くことも多い。

最近は創業者とは対照的に経営の天才である会長の下、ミニカー、服、グッズ、携帯電話、セグウェイ、遊園地など色々な業種に手を付け、自動車会社でありながら収益の3割は自動車以外という、他社から見たらなんとも羨ましい経営状態にある。ただ筆者は個人的に、ここ10年、本業であるはずのF1が絶妙に弱いのが、フェラーリファンとして悲しい。ジュースメーカーなんかに負けるな!

 

ランボルギーニ

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引用元:http://ja.logovaults.com/logo/3119-lamborghini-logo-jpg

正式名称はヌオーヴォ・アウトモービリ・フェルッチオ・ランボルギーニSpA。ライバルのフェラーリから20km離れた場所にある自動車会社。トラックとトラクターを作っていたイタリアの車好きフェルッチオ・ランボルギーニフェラーリ創業者にバカにされたのをきっかけに起業した自動車メーカー。上に書いたフェラーリの創業者とは対照的に、エンジニアとしてだけではなく経営者としても優れていたフェルッチオ・ランボルギーニはトラック、トラクター、エアコン、そして車と、手につく商売全てうまく行っており、初めて作った車は公道テスト走行していた新型フェラーリをカモにしたほど速かったという。そんなランボルギーニが唯一、うまく行かなかったのがヘリコプターで、「さすがに空を飛ぶ乗り物は危ないからダメ!」ということでイタリア政府の認可が下りず、2台のプロトタイプ制作で終わった。また「車に乗り心地や快適性を求める客は軽蔑する」と言ったエンツォ・フェラーリとはこれまた対照的に「助手席に座るレディのメイクが汗で落ちないような快適な車を作りたい」というのが当初のランボルギーニのクルマづくりのコンセプトであり、創業者フェルッチオ・ランボルギーニは根っからの熱いイタリア人男であった・・・。

というのは真っ赤な嘘!

経営者として優れていたフェルッチオ・ランボルギーニ、後発の自分の会社がどうやったらフェラーリに勝てるかを考えた結果、フェラーリを悪役にすることにした。弱小である自分の会社がどんどんフェラーリに追いついているというイメージをつけるための戦略。

実際は、フェラーリは顧客であったフェルッチオ・ランボルギーニをバカになどしておらず、クレームに丁重な回答をしていたというのが真相。ということで、当初の作戦通り、フェラーリに肩を並べる会社に育て上げたフェルッチオ・ランボルギーニはもちろんすごいし、それにうだうだ言わず付き合ってやってるフェラーリの懐の広さもすごい!

元々はイタリアの農家出身で、最初に成功した会社はトラクター会社、老後はワイン作りとバラの栽培に情熱を傾けたフェルッチオ・ランボルギーニ。牛がシンボルのエンブレムの由来は定かではないが、やっぱりフェルッチオ・ランボルギーニが農業が好きだったことに由来するのでは?と言われている。

 

アルファロメオ

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引用元:https://newcars.jp/news/alfaromeo-new-logo/

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引用元:https://www.flatout.jp/shop/products/detail.php?product_id=3428

日本人はイタリアの自動車メーカーと言ったら、フェラーリランボルギーニを真っ先に思い浮かべることが多いが、そんなフェラーリは元々アルファロメオのレーシングチーム。実はフェラーリが誕生するきっかけを作った名門自動車メーカーであるアルファロメオ

壊れやすいイメージのイタリア車にしては珍しく、信頼性はかなり高く、ドイツ車と比べても見劣りすることはない質実剛健なクルマづくりに熱狂的なファンが多い。ただ、日本国内の販売網が弱過ぎて、いざという時に近くにディーラーが無いのが欠点。

ごちゃごちゃしたロゴの由来は、創業の地であるミラノ市の市旗とイタリアの歴史に残る貴族ヴィスコンティ家の家紋から。色使いこそかっこいいが、よーく見てみると、右側の蛇に人が飲み込まれて、助けを求めているという、なんともシュールなロゴ。

そしてなぜかこのアルファロメオの項だけ、もう一つロゴが貼ってあるのにお気付きだろうか?この四つ葉のクローバーのマーク、「クアドリフォリオ 」というもので、アルファロメオにとっては、「蛇に飲み込まれて助けを求める人のマーク」よりもよっぽど重要な意味を持っている。ということで、ここからはこの「クアドリフォリオ」の意味について解説。

事の始まりは1923年、ちょうどフェラーリ創業者のエンツォ・フェラーリアルファロメオレーシングドライバーとして頑張っていた頃。同じくアルファロメオレーシングドライバーであった、ウーゴ・シボッチが幸運のお守りとして自身のマシンに白い正方形に四つ葉のクローバーの絵を描いていた。すると、そのご利益あってか、シボッチはその年のレースにおいて総合優勝。

しかしその数ヶ月後、エースドライバーであったシボッチが事故死。亡くなったマシンをよく見ると、事故を起こしたマシンにはいつもの四つ葉のクローバーのマークが描かれていなかった。ということで、この事故以降アルファロメオが参加する全てのレースマシンには「お守り」としてクアドリフォリオが掲げられることになった。

ちなみに当初、シボッチが描いていた絵は白い「四角形」に四つ葉のクローバーのマークであったが、シボッチを失ったという意味を含めるために「三角形」に変更。シボッチの死から100年近く経つ現在でもアルファロメオにとって特別な車種に使われるマークとなっている。

そして話は変わって、ここからはアルファロメオ車についてちょっぴり雑談。アルファロメオ車って、フロントグリルが盾をモチーフにしたデザインになっており、車に興味無い人のほとんどは「なんだこのかっこ悪い車は・・・」と思っていることが多い。筆者も子供の頃は、「うわ。かっこ悪っ!」って思ってた!ただ不思議なことに、一日中眺めていると、だんだんとかっこよく見えてくるのがアルファロメオの不思議な魅力。車好きからはおおむね高評価なメーカーで、世界で一番美しい車はアルファロメオと評する自動車評論家たちも多い。ちなみに筆者もいつの間にか、アルファロメオが美しく見える呪いにかかってしまってた。

元々は一部の根強いファンに支えられるニッチなメーカーだったが、ドイツ車にも負けない信頼性のあるクルマづくりが評価され、徐々に一般層にも浸透していることで最近勢いがある。そしてそんな勢いを象徴するように、2019年、ついに30年の時を経てF1に復帰したアルファロメオ。赤と白の2色のボディに十字架をまとったF1マシンは、筆者個人的にはむちゃくちゃかっこいい!!

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フィアット

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引用元:https://newcars.jp/news/alfaromeo-new-logo/

日本では上に書いたアルファロメオよりさらに知名度が低いが、実はイタリア最大の自動車会社にしてイタリア最大の企業。アルファロメオフェラーリマセラティも実はフィアット傘下に収める、イタリアの影のドン。日本の自動車メーカーを例に分かりやすく言うと、規模感で言うとホンダと同じぐらい。日産よりは全然大きい。売上高ランキング世界8位のかなり大きな自動車会社であるフィアット

FIATはファブリカ・イタリアーナ・アウトモービリ・トリノの頭文字から来ており、意味は「トリノのイタリア自動車製造所」。陸、海、空全てを制覇するというスローガン通り、車、鉄道、船、飛行機、マスコミ、金融を掌握するすごい会社。実はイタリアどころかヨーロッパ全体を牛耳ってる。なんでこんな大きな会社なのに日本での知名度が低いかと言うと、500万円以下の低価格な車の製造のみに割り切っており、価格帯において日本車と見事にかぶっており、日本で売れてないから。だけどこれだけ力ある自動車会社が作っていることもあり、車自体はデザイン、品質、性能共にコスパはかなり良い。筆者は近くにディーラーがないので乗りたくないが、車種によっては日本車よりもよっぽど良い作りしていると思う。

 

マセラティ

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引用元:https://car-moby.jp/74035

フェラーリランボルギーニと来たら次に来るのがマセラティ!と思う人も多いイタリアの高級車メーカー。マセラティ兄弟が作った会社であり、他国の例に漏れず名字が会社名になっている自動車メーカー。万年的な経営難に陥っており、親会社がしょっちゅう変わる。現在はイタリア最大手のフィアット傘下で比較的安定している。通称「トライデント」と呼ばれるエンブレムの由来は、創業の地であるボローニャのシンボルであり、マッジョーレ広場の「ネプチューンの噴水」に因んでいる。(映画『ダヴィンチコード』の続編『天使と悪魔』でトム・ハンクスが飛び込んだ美しい噴水です。)そのネプチューンが手に持つ勇気と力の象徴である三本槍を象っており、筆者は個人的にエンブレムが世界で一番かっこいい自動車会社だと思ってる。青と赤の2色はボローニャの市旗が青と赤の2色であることに由来。ちなみにボローニャ創業の自動車会社って意外と多くて、ランボルギーニやバイク界のフェラーリことドゥカティボローニャが発祥。

車の見た目は文句なしにかっこいいし、実質中身はフェラーリなのに、なぜか売れない不思議な会社。おかげで2019年現在日本国内において、新車価格1400万円、エンジンはフェラーリ製である「クアトロポルテ」というどえらい車がたったの200万円で買えるという異常事態が発生しており、サラリーマンが手っ取り早くスーパーカーに乗りたいならマセラティ一択!

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アバルト

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引用元:https://www.pinterest.jp/pin/772015561101202290/

最近、日本でもよく見かけるサソリのマークの付いた小さくてうるさい車。実際はアバルト独自の車は作っておらず、フィアットの車をベースにチューニングを施し、アバルトのマークを付けて販売している。ドイツ車で例えるなら、ベンツ&AMGBMWアルピナと同じ関係。

ちなみにロゴのサソリの意味は、創業者のカルロ・アバルトの星座がさそり座であったことと、小さいけれど自分の体よりも大きな獲物を射止めるサソリのイメージとアバルトの小さな車をかけたことが由来。

1949年にイタリアで創業したアバルト、創業当初からフィアット車をベースに様々なチューニングを行いレースに勝利していた。そしてレースの成績に対する報酬をフィアットから徴収するという関係を続けていた、いわばレーシングチーム的な会社。しかし、創業者のカルロ・アバルトのレースに対する思いがケタ違いに強いおかげで、レースには勝利するものの万年的な資金不足。カルロ・アバルトが利益よりも勝利を追求し続けた結果、遂に経営難に陥り、1971年にフィアットに買収された。

創業者のクルマづくりが現在も根付いており、かなりの好き者向けの車を作っている。車好きであってもまず関わることはないほどマイナーメーカーなので、一般人は一生関わることがないと言えるぐらい日常生活に遠い自動車メーカー。改造に関しては、かなり真摯に取り組んでいるものの、普通の人からしたら、やはりただただうるさい車。

 

ランチア

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引用元:https://gogenyurai.net/archives/10830

30年前に日本国内において大ヒット、その後下降線を辿り今や忘れられつつあるメーカー。それもそのはず、2014年に「ランチアは今後イタリア国内専売の自動車メーカーになる」と宣言し、2019年現在、イタリア以外でのランチア車販売は終了している。ちなみにイタリア国内では普通に売っているのかというとそうでもなく、車種削減が行われ現在販売されているのはイプシロンという車1種類のみ。風前の灯とはまさにこのこと。現在、潰れるか潰れないか本当に大変な状況みたい。

フェラーリと同じで、元々レーシングドライバーが作った会社ということもあり、ラリーにおいては強烈な活躍を見せつけ、史上最多勝利数記録を持っている、実はF1にも参戦していたこともある結構すごい自動車メーカー。今でこそ潰れる寸前だが、かつてはアルファロメオと肩を並べていたイタリア屈指の上級車メーカー。現代では当たり前になっている自動車の技術は、実はランチアが一番最初に始めたというものが意外と多く、モノコックボディ、独立式サスペンション、V型エンジン、5速トランスミッションを量産車に初めて採用したのはランチア。ということで、性能と品質に関しては間違いないメーカーだった。

上記のように、クルマづくりは真摯に行なっていたので、今でも根強いファンが多い。イタリア専売作戦のおかげもあり、今後の中古車の価格が爆上げすること間違いなしなメーカー。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。ドイツ車メーカーが、どこも同じような創業の成り立ち、そして現在も各メーカー同士どことなく似ている車を作っているのに対して、イタリア車メーカーは波乱万丈。それぞれがぶっ飛んだ面白いエピソードを持っています。

現在、世に送り出している車もメーカー独自の色が色濃く付いているものばかりなイタリア車。イタリア車の何がそこまで人を惹きつけるのか?もしかしたら、こんな他の国には無いクルマづくりへの熱い思いが車好きの心をがっちり掴んでいるのかもしれません。

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