みなさんはウイスキー用語で、
「天使の分け前/エンジェルズシェア」
という言葉を聞いたことがありますか?
これ名前通り、ウイスキー造りにおいて、
人間には絶対に味わうことができない部分
を表す言葉!
ということで今回は、ちょっとロマンチックなウイスキー用語「天使の分け前/エンジェルズシェア」について紹介しようと思います!
【初心者向け】ウイスキー用語「天使の分け前/エンジェルズシェア」を徹底解説!
天使の分け前/エンジェルズシェアとは?
天使の分け前/エンジェルズシェアとは、ワイン、ウイスキー、ブランデーなどの蒸留酒を造る際に、熟成過程で蒸発してしまうアルコール分のことを指します
熟成前に比べて、樽のウイスキーの量が減っていることから、
「失われたお酒は天使が飲んでいる」
と例えて、天使の分け前/エンジェルズシェアと呼ばれています
天使の分け前/エンジェルズシェアの仕組み
一般的にウイスキーは木製の樽で1年間熟成すると、製造量のうち1〜3%が天使の取り分として失われます
木の樽は液体は漏れない程度の密封はされていますが、気体はわずかに漏れるという特性があり、これにより蒸発したウイスキーは少しずつ樽の外に逃げています
ちなみに、1年で1〜3%程度なので、10年、20年、30年熟成となると、意外と結構な量のウイスキーが無くなってしまいます
長期熟成ウイスキーの値段がやたらと高い理由はこのためで、これを避けるために金属製の樽に入れるなど様々な方法がこれまでに考案されました
しかし、やはりウイスキーの風味には木製の樽が一番適しているようで、現在も木の樽がウイスキーの熟成には欠かせない存在となっています
蒸留所によって天使の分け前/エンジェルズシェアの量が違う!?
天使の分け前/エンジェルズシェアの量は、ウイスキー蒸留所によってそれぞれ異なることも有名な話!
これ、昔の人は、
天使に分け前を与えている蒸留所こそ、おいしいウイスキーができ上がる
なんて本気で考えていたようですが、
実際は温度や湿度などの条件によって、蒸発量が変わるというのが真相です
世界各地の蒸留所を見てみると、蒸発量は気候によって大きく異なり、一覧にしてみるとこんな感じ!
このように、冷涼なスコットランドは天使の分け前が少なく、亜熱帯気候の台湾に至っては、1年で5分の1近い原酒が失われていることが分かります
ちなみに、この天使の分け前があまりにも激しいことから、
台湾でウイスキーを造るのは不可能
というのが、これまでのウイスキー専門家の大半の意見でしたが、
カバランというウイスキーメーカーが2006年からウイスキーを造り始め、このジンクスを見事に打ち破りました
また、カバランのウイスキーは熱帯で造られるウイスキー独特の味わいから、世界的にもかなりの高評価を受けており、近年急速に注目を集めるブランドとなっています
カバランについてもっと詳しく知りたい人はこちら!
世界一の台湾ウイスキー「カバラン」蒸留所の歴史や評価を徹底解説! - 最愛の彼女に浮気された男の努力記
悪魔の取り分/デビルズカットもある?
ウイスキー用語には、 天使の分け前/エンジェルズシェアの反対に、悪魔の取り分/デビルズカットという言葉も存在し、こちらは人間も味わうことができます
というのも、悪魔の取り分/デビルズカットとは、樽の木材に染み込んでしまったウイスキーを意味し、抽出すれば、とても濃厚で樽感のあふれる味わいを楽しめます!
ちなみに、バーボンの特産地であり、温暖で乾燥しているアメリカ・ケンタッキー州では、年間10〜18%の原酒が、天使の分け前と悪魔の取り分で失われることから、悪魔の取り分を回収することに熱心だったりします・・・(笑)
例えば有名どころでは、世界一売れているバーボンウイスキー銘柄であるジムビームには、「デビルズカット」というボトルが販売されており、通常のジムビームよりも濃厚で芳醇な味わいが人気です!
ジムビーム デビルズカットを実際に飲んでみたレビューはこちら!
【これはすごい!】ジムビームデビルズカットをレビュー!【高評価】 - 最愛の彼女に浮気された男の努力記
1本2000円だからそんなに期待してなかったんだけど・・・むっちゃ濃厚でおいしかった!
PC用語の天使の分け前/エンジェルズシェア?
天使の分け前/エンジェルズシェアといったら、お酒の用語と思っている人も多いかと思います
しかし、この記事書いている時に筆者も初めて知りましたが、どうやらPC用語としても使われているようで・・・
メモリーカードやHDDで、「何も保存していないのにメモリ容量が減っている」という現象を天使の分け前と呼ぶようです
確かに、筆者も、
1TBのHDDを買ったはずなのに、なんだか931GBしか認識されない!!
ふざけるな!
という経験があります・・・
ちなみに、 PC用語の仕組みは、ウイスキー用語と違って、かなり難解な話なので、興味のある人は自分で調べてみてください・・・
チラッと説明すると、
10進数で計算すると、
1KB=1000バイト、1TB=1,000 x 1,000 x 1,000 x 1,000 = 1,000,000,000,000バイト
16進数で計算すると、
1KB=1,024バイト、1TB=1,024 x 1,024 x 1,024 x 1,024 =1,099,511,627,776バイト
つまり、2.4%の差が生じる
こんな感じで、読んでるだけで頭が痛くなりそうな話です・・・(笑)
まとめ
ということで!
蒸留酒とは切っても切り離せない「天使の分け前/エンジェルズシェア」の紹介でした!
実は科学技術が進歩した現在でも、ウイスキーが熟成するメカニズムは完全に解明されていない部分が多く、天使の分け前/エンジェルズシェアも、なんとか少しでも減らそうと技術者たちが頑張っても太刀打ちできないのが現状・・・
また、30年以上の長期熟成の樽となると、予想外に天使の分け前が多く、中身が空っぽになってしまったり、開封してみたら中身が劣化していて商品にならなかったなど、人が思い通りに熟成を制御することができないというのが当たり前
サントリーが発売した50年熟成のウイスキーが、1本300万円という定価で売られているのも、確かに納得なような気がします・・・
そんな感じで、ウイスキー飲む時は、
こんな知識を思い出しながら飲んでみると、いつにも増して美味しく飲めるかもしれませんね・・・(笑)?
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だいたい1本3行ぐらいで簡単にまとめてみたのでレビュー読むの面倒な人におすすめ!