煙くさいウイスキーが特徴のアイラ島のウイスキーの中でも、最強の香りを誇る銘柄といったら、アードベッグ!
おそらくほとんどの人は飲めないレベルの強烈な香りだけど、世界中に熱狂的なファンが数多くいる、とても個性が強いウイスキーです
ということで今回は、そんなアードベッグの特徴、歴史、ラインナップごとの違いを初心者の人にも一から分かるように解説してみようと思います!
アードベッグの味や種類/10年・ウーガダール・コリーヴレッカン・アンオーの違いを解説
アードベッグとは?
煙くさい香りが特徴のアイラ島のウイスキーの中でも、最強クラスに位置するのがアードベッグです
アイラモルトでは、ラフロイグの消毒液のような強烈な香りが有名ですが、ラフロイグよりもさらに強いのがアードベッグ
ウイスキーのスモーキーさを計測するフェノール値を見ると、ラフロイグが40~45ppmに対してアードベッグが55ppm
とにかく香りが強いウイスキーを探している人にはおすすめです!
ちなみに、2005年公開の映画『コンスタンティン』では、キアヌ・リーブス演じる余命わずかの悪魔祓い師・ジョンがアードベッグを愛飲していました
映画のイメージとアードベッグの味わいは100%とも言えるほどのベストマッチで、まさにアードベッグはあの映画のイメージです(笑)
アードベッグの歴史
1815年創業のアードベッグ蒸留所。同じアイラ島のライバルであるラフロイグ蒸留所も同じ年にオープンしています。ちなみに、現在アードベッグ蒸留所が位置する場所にはかつて1794年に別の蒸留所がありましたが、密造ウイスキーの蒸留所だったので、イギリス政府に廃業処分を受けています
そして、現在は世界中で大人気のアードベッグですが、1980年代に約10年間、不況により生産停止の窮地に陥っています。現在はあの有名なファッションブランド、ルイ・ヴィトンがオーナーであるグレンモーレンジィ蒸留所の、そのまた傘下に入って完全復活を果たしました
アードベッグの製法
アードベッグのウイスキー造りの一番の特徴は、「ノンチルフィルタード」という製法を採用していること
一般的なウイスキーは、瓶詰め前に原酒を冷却し沈殿物を取り除きますが、この沈殿物を除去する工程では、うま味成分も幾分か失ってしまうため、アードベッグはあえて沈殿物をそのままに瓶詰めしています
またウイスキー造りに最も重要と言っても過言ではない仕込み水は、蒸留所近くにあるウーガダール湖の水を使用しています。アイラ島特産のピート成分を含んだ水なので、アードベッグの特徴ある香りは、仕込み水の段階から香り付けされていると言われています
アードベッグの種類
アードベッグ 10年
アードベッグのラインナップで一番お手頃なのがアードベッグ 10年
アイラモルトの象徴である煙や消毒液のようなピート香と海の潮の香りが口全体に広がるほど、強烈な味わいを楽しむことができます
また後味は、バニラや青りんごのような爽やかさがあり、第一印象と余韻がまるで別の顔を持ったウイスキーでもあります
アードベッグ アン・オー
バーボン樽、PX(ペドロ・ヒメネス)シェリー樽、アメリカンオーク新樽の3種類の樽で熟成させた原酒を混ぜ合わせたのがアードベッグ アン・オー
ノンエイジのウイスキーですが、シェリー樽の甘く華やかな香りと、アメリカンオーク樽のスパイシーな香りが合わさり、アードベッグ10年よりもまろやかな印象があります
アードベッグ 10年よりも1500円ぐらい高いですが、おそらく初めてアードベッグを飲む人はこちらの方が飲みやすいと思います
アードベッグ ウーガダール
アードベッグのウイスキー造りの仕込み水の源泉であるウーガダール湖の名前を冠したウイスキー
バーボン樽とシェリー樽の2種類の樽で熟成させたものをヴァッティングしたボトルで、通常のアードベッグラインナップに比べて甘みが強調されています
ゲール語で「暗くて神秘的な場所」という意味がある「ウーガダール」の名前通り、どこかスモーキーな暗さの後に、華やかで甘いフルーツのような神秘的な余韻を味わえる面白いウイスキーです
アードベッグ コリーヴレッカン
アイラ島近くの、激しい潮の流れがある海流の名前を冠したウイスキー
バーボン樽とフレンチオーク樽の2種類の樽の原酒がヴァッティングされており、上で紹介したウーガダールとは正反対で、スパイシーなピリッとした刺激が楽しめます
アードベッグの特徴である、煙くささや消毒液っぽさに、スパイシーさが加わり、アードベッグのラインナップの中でもとても激しい香りが楽しめる1本です
まさに渦潮が現れるほど、激しい海流「コリーヴレッカン」の名前通りです
まとめ
おそらくたいていの人は嫌いだけど、ハマる人はどハマりする熱狂的なファンが多いウイスキーでもあります
また、煙の香りの奥には、青りんごやバニラのような甘みも感じられ、実は奥深い味わいであるアードベッグ
いきなりボトル買うのはおすすめしないけど、バーで見かけたらぜひ1杯飲んでみてほしいウイスキーです!
また映画『コンスタンティン』はアードベッグファンなら必見ですよ!キアヌ・リーブス演じる主人公がアードベッグ飲んでるのは、マジでカッコ良すぎます・・・(笑)