煙くさい、消毒液、正露丸のような香り
など、とにかく個性的な香りで有名なスコットランド・アイラ島のウイスキー
しかし、そんなアイラ島の中でも、全然くさくない万人受けするウイスキーを造っている蒸留所。それがブナハーブン!
ということで今回は、そんなブナハーブンの特徴、歴史、ラインナップごとの違いを初心者の人にも一から分かるように解説してみようと思います!
ブナハーブンの味や種類/12年・18年・25年・モアンヌ・ブラックボトルの違いを解説
ブナハーブンとは?
アイラ島のウイスキーといったら、ラフロイグやアードベッグのように、まるで正露丸や消毒液かと思うぐらい強烈な香りが特徴ですが、ブナハーブンはアイラ島では異例のクセのないウイスキー
アイラの中では割と後発組のブナハーブンは、他のクセの強いアイラモルトと差別化するために、あえてピートをほとんど焚かないクセのないウイスキー造りを行っています
ブナハーブン蒸留所について
アイラ島とジュラ島の間のアイラ海峡に面する入江に建っており、目の前にはお隣のジュラ島も見えます
アイラ島の中でもほとんど人が住んでいない僻地にあり、蒸留所内には見学者用の宿泊施設やレストランも併設されており、観光にもおすすめ
2020年には、新たに観光客用施設の増設や蒸留所設備の拡大も行われ、現在勢いのある蒸留所でもあります
ブナハーブンの歴史
世界的にはかなり歴史のある蒸留所に入りますが、アイラ島の他の蒸留所の歴史が桁違いなので、アイラ島では後発組にあたります
150年近い歴史の中で幾度となく、オーナーが入れ替わったことや、長らくブレンデッドウイスキーの原酒の製造に専念していたこともあり、あまり一般に知られる蒸留所ではありませんでした
1979年から、シングルモルトウイスキー「ブナハーブン 12年」の販売を開始し、アイラ島のウイスキーとしては異例のクセのないウイスキーとして一躍有名になったブナハーブン
現在は、「トチェック」「モアンヌ」といった名前で、アイラモルトらしいクセのあるウイスキーも発売しており、幅広いラインナップを揃えています
ブナハーブンの製法
ブナハーブンの仕込み水は、マーガデイル川の湧き水を使用しています。純粋な湧き水のみを使用してウイスキー造りを行うのは、アイラ島ではブナハーブン蒸留所のみです
ウイスキーの原料となる麦芽は、ラインナップに合わせて、ノンピートとピートが分けられており、9:1ほどの割合で、ノンピートの麦芽の仕入れが多くなっています
また熟成に使われる樽は、バーボン樽がメインで、一部ラインナップではシェリー樽なども使用しています
ブナハーブンの種類
ブナハーブン 12年
それまでブレンデッドウイスキーの原酒製造に特化していたブナハーブンが、1979年に初めて世に送り出したシングルモルトがブナハーブン 12年
酸味と甘さが中心で、レーズン、カカオ、青りんごのような酸味に、蜂蜜や黒糖のような甘みを楽しめます
当たり前だけど、アイラ特有のスモーキーさは皆無で、目を瞑って飲んだら、まずこのウイスキーがアイラモルトだなんて分かる人はいません
クセがなくバランスがとれた正統派ウイスキーの味わいなので、ウイスキーを初めて飲む人におすすめです!
ブナハーブン 18年
※なぜかネットに売ってません!信濃屋かリカーズ ハセガワ行けば売ってるかも?
熟成年数18年以上の原酒を使用し、バーボン樽60%、シェリー樽40%の割合でヴァッティングしたのがブナハーブン 18年
他のブナハーブンのラインナップに比べて、シェリー樽の割合が多いため、華やかでスパイシーな味わいを楽しむことができます
シェリー樽由来のフルーティな酸味と甘みを存分に楽しむことができ、さくらんぼのような甘酸っぱさに、後味にはシナモンのようなスパイシーな余韻が特徴
バーボン樽由来のバニラのような甘みも感じられ、まるでフルーツタルトのような甘酸っぱさは、誰にでも楽しめる万人受けするウイスキーです
ブナハーブン トチェック
ブナハーブンのラインナップでは異質のピートを使用した煙くさいウイスキーがブナハーブン トチェック
スモーキーな香りを化学的に表す指標であるフェノール値は35ppmなので、同じアイラ島のウイスキーだと、ボウモアよりはちょっと強め。カリラやラガヴーリンと同じぐらいの煙くささに位置します
数値的には結構強めですが、ブナハーブンらしい上品な甘さとレーズンのような華やかな甘酸っぱさが組み合わさっており意外と飲みやすいです
甘酸っぱい+煙くさいウイスキーを飲んでみたい人にはおすすめ!
ブナハーブン ブラックボトル
※煙くさいウイスキー大好きな筆者も欲しくて探してるけど、ネットも実店舗もどこにも売ってません!
ブナハーブンファンだけでなく、アイラモルトファンからも地味に人気があるブレンデッドウイスキー
アイラ島にある7つの蒸留所の原酒をブレンドしている、今までありそうでなかったウイスキー
アードベッグ、ラフロイグを筆頭に、煙くさいアイラモルトが大集合!といったら、とんでもなくクセの強いウイスキーを想像すると思うけど、キーモルトはブナハーブンなので、それほど煙くささは強くありません
最近、ボウモアやラフロイグをはじめとして、数年前は1本3000円ぐらいで買えたはずのシングルモルトが軒並み値上げしているので、気軽に飲める煙くさいウイスキーとしてもおすすめ!ブラックボトルなら2020年現在も、1本わずか3000円ぐらいで買えます!
まとめ
アイラ島の8つある蒸留所の中で、ブルックラディと並んで飲みやすいことで有名なブナハーブン
ちなみに、ここまで読んだ人は分かると思うけど、もしもブナハーブンを飲んで「これはアイラ島のウイスキー特有のピートが・・・」とか言ってる人は恥ずかしいのでやめましょう
ブナハーブンはアイラ島の中でもかなりの異質。スコットランド本土のウイスキーに似ている、正統派ウイスキー
酸味と甘みのバランスが絶妙で、バニラやチョコレートのようにやさしい味わいは誰にでも飲みやすい万人受けウイスキーです
ということで、ブナハーブンの紹介でした!
ちなみに、煙くさいアイラ島特有のウイスキーを飲みたい方はこちらをご覧ください!