世界第6位の販売量を誇り、イタリアで絶大な人気を誇るウイスキーといったらグレングラント
日本ではあまり知名度が高くありませんが、世界的にはかなり有名な大規模蒸留所
知る人ぞ知る、通好みのいぶし銀的なウイスキーを造るメーカーです
ということで今回は、そんなグレングラントの特徴、歴史、ラインナップごとの違いを初心者の人にも一から分かるように解説してみようと思います!
グレングラントの味や種類/メジャーリザーブ・10年・12年・15年・18年の違いを解説
グレングラントとは?
グレングラントはスコットランドのスペイサイド地方で造られるウイスキー
日本での知名度はそれほど高くありませんが、イタリアでは人気No.1のシングルモルトウイスキー
現在、グレングラント蒸留所のオーナーがイタリアの企業であるカンパリ社なので、イタリアでは最強レベルの人気を誇るウイスキーです
また、世界でも第6位の販売量であるグレングラントは紛れもない大規模蒸留所
品質の高さが評判で、昔から世界中で飲まれているシングルモルトウイスキー銘柄のひとつです
グレングラントの歴史
スペイ川下流の町・ローゼスという町で、1840年に創業したグレングラント蒸留所
創業者はグラント兄弟という人たちで、弟のジョンがアベラワー蒸留所で技師として働いていた経験から、蒸留所経営が始まりました
また兄のジェームズも政治家兼貴族の優秀な人物で、地元スペイサイド に鉄道を建設した有力者でした
ちなみに、グレングラント蒸留所は1861年に電灯を導入し、これはスコットランド中の蒸留所で一番最初の電灯導入となりました
そして、二人の兄弟の死後は、兄と同名の息子・ジェームズ“ザ メジャー”グラントが活躍することとなります
この2代目ジェームズが、グレングラント蒸留所では伝説的人物で、蒸留所経営者、発明家、社交家、旅行家と様々な人生を送ったなかなかに面白い人
先代の兄弟が残した莫大な遺産でとにかく遊びの限りを尽くしたジェームズ
旅が大好きで、貴族でありながらアフリカにもインドにも自ら足を運ぶほどの旅行家
また、結婚は3回、子供は8人と、まさに大金持ちのプレイボーイを絵に描いたような御曹司
スコットランドでロールスロイスを誰よりも早く購入し、近所を乗り回していたという、まさに伝説的な放蕩息子
しかし、このジェームズ、発明家の一面も持ち合わせており、グレングラント蒸留所の蒸留器を細長い形に改良し、ジェームズが導入した蒸留器は150年経った現在も同型のものが使用されています
ということで、現在も愛されるグレングラントのライトで誰にでも飲みやすい味わいは、この伝説的遊び人が作り出した遺産であるとも言えます
グレングラント蒸留所について
そんなイタリアで人気No.1、世界第6位の販売量を誇るグレングラント蒸留所
蒸留所の敷地内には、東京ドーム約3個分の超広大な庭園が併設されています
この庭園、もちろん作り出したのは、グレングラント蒸留所の伝説、ジェームズ“ザ メジャー”グラント
当時は巨大な温室と家庭菜園も併設されており、15人の専属庭師が絶え間なく整備をしていたと言います
現在は蒸留所見学のついでに散策ができる、とても美しく広々とした英国庭園として開放されています
グレングラントの製法
グレングラントの特徴的な味わいは、150年前にジェームズ“ザ メジャー”グラントが作り出した蒸留器にあるのは、前述した通り
また、現在のグレングラント蒸留所にはもう一人の伝説的人物がおり、その名がデニス・マルコム
グレングラントのウイスキーのブレンドを50年にわたり担当している、超熟練職人であるデニス
15歳の時からグレングラント蒸留所の樽職人として働き始め、人生の全てをグレングラントに捧げてきた人物
現在は、グレングラントのウイスキーの全てを監修し、いつの時代も変わらぬ味わいを保ち続けています
グレングラントの種類
グレングラント メジャーリザーブ
グレングラントで最もお求めやすいボトルがこれ!
スコッチのシングルモルトでありながら、たった2500円ぐらいで買えます!
味わいは、フルーティな酸味が中心で、ほのかに樽由来の香ばしい香りを楽しめます
グレングラントの特徴である軽やかさが見事に表現されており、ハイボールや水割りにすると、とても爽やかな味わいを楽しめる、かなりコスパの良いボトルです
グレングラント 10年
グレングラント特有の軽やかな飲み口はそのままに、りんごやバニラのような甘さや酸味を楽しめます
また、ほのかに樽の木の香りも漂い、これまた誰にでも飲みやすい、変なクセや個性のないウイスキーです
グレングラントの商品の中では最も売れているボトルで、amazonのレビューも概ね高評価なので、グレングラントのラインナップで迷ったらとりあえず、10年を買っておくのがおすすめです!
グレングラント 12年
12年以上熟成の原酒が使われているボトル
ひとつ上で紹介した10年が1本3500円程度で買えるのに対して、こちらの12年は1本6000円ぐらいと、一気に値段が跳ね上がるのであまり人気はありません・・・
筆者個人的にも、ちょっとコスパ悪いと思うので、よほどこだわりある人以外は10年買っておいた方が良いと思います
グレングラント 15年
米国市場を念頭に造られた、バーボン樽熟成でアルコール度数の高いボトルがグレングラント 15年
ラインナップの中ではちょっと異質で、なるべく加水をしないことでアルコール度数を50度前後に保っており、またボトル容量も1Lが標準となっています
1本8000円ぐらいするけど、1Lの容量と、アルコール度数50度と考えたら意外とお買い得!
グレングラントが造るバーボン樽熟成ウイスキーの味わいがとことん現れており、バニラや洋ナシ、ナッツのような味わいに加えて、シトラスやスパイスのような風味も楽しめ、とても複雑!
マスターディーラー、デニス・マルコムがグレングラントの個性を表現した自信作だそうです!
グレングラント 18年
グレングラントの通常ラインナップにおける最高峰がグレングラント 18年
バーボン樽を中心に熟成した18年以上熟成原酒を使用しており、原料の大麦はノンピートのみを使用しています
バーボン特有の蜂蜜やバニラのような濃厚な甘みに、長期熟成による樽、ナッツ、アーモンドのような香ばしさを存分に楽しめます
また、スペイサイド地方のウイスキーらしい華やかでアロマティックな香りも楽しめ、その香りはまるで高級な香水のように上品で優雅です
グレングラント特有のライトな飲み口は18年にも引き継がれており、長期熟成ウイスキーのマイルドさもあり、ごくごく飲めちゃうほど飲みやすいです!
1本1万6000円ほどと、フラッグシップのウイスキーにしては意外と安いので、お金持ちな人がごくごく飲むウイスキーとしては、結構おすすめかも?
まとめ
ということで、際立った特徴はないけれど、バーボン樽由来のオーソドックスなウイスキーの味わいと誰にでも飲みやすい軽さを楽しめるグレングラント
イタリアではシェア率70%という絶大な人気を誇っており、軽い飲み口はイタリア料理の食中酒としてもよく合います
伝統ある蒸留所にしてはラインナップのどのボトルも良心的な価格なので、軽くてがぶがぶ飲めるウイスキー探している人には、真っ先におすすめしたグレングラントでした!