桃やオレンジのような香りで有名なウイスキーといったらグレンモーレンジィ!
甘みある独特の味わいは、女性をはじめ多くのウイスキー好きが、一番好きなウイスキーとして上げる人も多いのではないでしょうか?
ということで今回は、そんなグレンモーレンジィの特徴、歴史、ラインナップごとの違いを初心者の人にも一から分かるように解説してみようと思います!
グレンモーレンジィの味や種類/10年・12年・18年・19年・25年・シグネット・ラサンタ・ネクタードールの違いを解説
グレンモーレンジィとは?
本場スコットランドで一番飲まれているウイスキーであるグレンモーレンジィ
世界的には、グレンフィディック、グレンリベット、マッカランに続く4番手ですが、本場では一番人気のウイスキーです
スコットランド随一のとても華やかな飲み口が特徴で、甘くフルーティーな香りは飲みやすく口当たりも良いことから、女性にも人気が高い銘柄
熟成には、シェリー樽、貴腐ワイン樽、マディラワイン樽など、華やかな香り付けに定評のある樽を使い分けており、その複雑でバランスの取れた味わいは著名なウイスキー評論家が「完璧」と評価するほどのウイスキー
グレンモーレンジィの歴史
グレンモーレンジィ蒸留所の建物は、1738年に建てられた古いビール工場を改修して、1843年に創業しました
当初はあまりお金がなかったようで、建物だけではなく、蒸留器もジンの蒸留に使われていた中古の蒸留ポットを使用したグレンモーレンジィ。ということで、現在も受け継がれている蒸留器は、スコットランドで最も背が高い蒸留器で、高さはキリンに匹敵する全長5.14メートル!
で、グレンモーレンジィの名声を高めてくれたのが、この背の高い蒸留器。ウイスキー蒸留器として異質な形は、グレンモーレンジィの特徴であるオレンジのような甘くて華やかな香りを生み出してくれ、他には似ていないウイスキーということでグレンモーレンジィを一躍有名にしてくれました
ちなみに自社の蒸留ポットの背の高さをアピールするために、キリンを蒸留所に連れてきて横に並べて写真を撮ろう!という面白い企画を思いついたグレンモーレンジィ、
動物園からのレンタル費用を計算したら、びっくりするような価格になったので中止になってしまいました・・・
グレンモーレンジィの製法
仕込み水は蒸留所敷地内にあるケルピーの泉から採れる硬水を使用しています。昔はターロギーの泉という別の場所にある水を使用していましたが、現在は同じ硬度を持つケルピーの泉に変更されています。軟水がよく使用されるスコッチウイスキーでは珍しく、この硬水がグレンモーレンジィの複雑で奥深い味わいを生み出していると言われています
そして背の高い蒸留器は、蒸気の接触面が大きいため、余分な雑味を除去してくれ、これがグレンモーレンジィ特有のフローラルで華やかな香りを生み出します
ちなみにグレンモーレンジィというと、背の高い蒸留ポットをイメージする人が多いですが、グレンモーレンジィが一番こだわっているのは、樽熟成
「樽のパイオニア」という異名を持つグレンモーレンジィ蒸留所。現代のウイスキー蒸留所では、完成品の樽を他社から購入する蒸留所も多い中、グレンモーレンジィは加工された木材でもなく、オーク原木から購入しています。また、オーク樽やバーボン樽で熟成した原酒は、ラインナップごとに、シェリー樽、マディラワイン樽、ポートワイン樽、ソーテルヌワイン樽などに移し替えられて、最後の香り付けが行われます
樽のパイオニアの並々ならぬこだわりが宿ったウイスキーは、独特の華やかな香りを生み出し、ウイスキーファンなら必見の味わいです
実は親会社はルイヴィトン
現在グレンモーレンジィを所有するのは、フランスのLVMH(ルイヴィトン・モエヘネシー)
これ誰もが知る、あの超有名ファッションブランド・ルイヴィトングループの親会社
2004年から、ルイヴィトン傘下に入ったグレンモーレンジィ蒸留所。現在はルイヴィトンのブランド戦略の下で、ラグジュアリーなボトルデザインや広告を次々に生み出し、高級感かつおしゃれなウイスキーメーカーとしてイメージと知名度アップに取り組んでいます
ちなみに続々とラインナップをリニューアルし、デザインを一新しているグレンモーレンジィ。箱もボトルも他の蒸留所には圧倒的な差をつけるほど美しいので、グレンモーレンジィ買った人はじっくり見てください!
グレンモーレンジィの種類
グレンモーレンジィ オリジナル
以前「10年」という名前だったものが、リニューアルで名称変更したのがオリジナル
世界中のウイスキーファンから「完璧すぎる」と絶賛されるウイスキーで、グレンモーレンジィ特有のオレンジや桃のような華やかな香りが口いっぱいに広がり、とても美味しい
ちなみに親会社のルイヴィトンの指導の下、パッケージもリニューアルしたグレンモーレンジィ オリジナル
オレンジ色のデザインはどこかルイヴィトン感があり、ボトルはまるで黄金の香水瓶のように光っている。控えめに言っても、笑えるほどかっこいい!
何から何まで完璧なウイスキー!
グレンモーレンジィ ラサンタ 12年
グレンモーレンジィ オリジナルの原酒と同様、通常樽で10年間熟成させた後に、オロロソ・シェリー樽での2年間の後熟を加えたのが、グレンモーレンジィ ラサンタ 12年
オロロソ・シェリー樽由来の、華やかで甘みのある上品な味わいが加わっているだけではなく、辛口のシェリー樽を使っていることで、どこかスパイシーでナッツのような風味が宿る、とても複雑な味わいに仕上がっています
オリジナルに比べて、一段と香りと味わいが深まっている、グレンモーレンジィ ラサンタ 12年。ちょっと高いけど、間違いなく1本6000円の価値はあります!
グレンモーレンジィ キンタ・ルバン 12年
通常の樽で10年熟成させた後に、ポルトガル産ルビーポートワイン樽で2年間後熟させたラインナップ
甘く華やかなラインナップが多いグレンモーレンジィでは異例の、ちょっとビターでアルコールの辛みを感じられるウイスキー
バナナやカラメルのような濃密な甘さに加えて、ワインの強い酸味とチョコレートのようなビターさが味付けされており、華やかながらどこか裏のある高級感が感じられる、ちょっと不思議なボトル
甘いだけじゃなく、酸味や苦みの合わさった複雑なグレンモーレンジィを体験してみたい人にはおすすめ!
グレンモーレンジィ ネクター・ドール 12年
名前通り、白桃の香りが宿るグレンモーレンジィ ネクター・ドール 12年
通常の樽で10年熟成させた後に、ソーテルヌワインの樽で2年間後熟し、甘みがかなり増しています
りんご、白ブドウ、桃、さくらんぼととにかくフルーツの香りが強く、まるでフルーツミックスジュースを飲んでいるかと思えるほど、水々しく爽やかな香りが口いっぱいに広がります
元々、上品な味わいが人気のグレンモーレンジィの中でも、圧倒的にエレガントな味わいで世界中で人気が高いボトルです
グレンモーレンジィ 18年
18年の長期間の熟成を通して、桃やオレンジのように水々しく華やかなフルーティさが特徴のグレンモーレンジィに、まろやかで濃厚な味わいが加わったボトル
メロンやバナナのような、甘みが強い果物の味わいが加わったイメージで、蜜のように甘い味わいが広がります
食後のデザートにはぴったりのとても甘くて上品なウイスキー
まとめ
他にはない、フルーツのような味わいから世界中にファンが多いグレンモーレンジィ
最近は、ルイ・ヴィトン傘下のLVMHグループに仲間入りし、ますます勢いのあるウイスキーブランドとなっています
甘い味わいのグレンモーレンジィなら、他の銘柄に比べて、ストレートでも飲みやすく、またハイボールにすると、甘くてフルーツの香りがする独特の1杯が出来上がります!
ウイスキー初心者でもきっと飲みやすいグレンモーレンジィ、かなりおすすめの銘柄のひとつなので、気になった人はぜひ「グレンモーレンジィ オリジナル」から足を踏み入れてみましょう!