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モートラックの味や種類/メジャーリザーブ・12年・16年・20年・レアオールドの違いを解説

ウイスキーマニアがこぞって高評価をつける、スコットランド・ダフタウンの蒸留所といったらモートラック

グレンフィディックバルヴェニー、グレンダラン、ダフタウン・・・など様々な強豪蒸留所が密集するダフタウン地区において、最も歴史のある蒸留所で、ウイスキー好きからおそらく最も評価されている蒸留所であります

ということで今回は、そんなモートラックの特徴、歴史、ラインナップごとの違いを初心者の人にも一から分かるように解説してみようと思います!

 

 

モートラックの味や種類/メジャーリザーブ・12年・16年・20年・レアオールドの違いを解説

 

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引用元:https://www.elitetraveler.com/features/mortlach-release-single-malt-whisky

 

モートラックとは?

 

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引用元:https://maltco.asia/mortlach-chao-mung-den-voi-viet-nam/

 

スコットランドのスペイサイド地方の中心地であるダフタウン地区にあるモートラック蒸留所

「ダフタウンの野獣」と呼ばれるほど力強く芳醇な味わいに定評のあるウイスキーで、かつてはマッカランを超える高評価も得た、とても実力ある蒸留所です

また、ジョニーウォーカーなど有名ブレンデッドウイスキーの原酒としても使用されており、その味わいのレベルの高さは間違いなし!

一般的な知名度は低いけど、ウイスキー好きの間では常に高い評価を得ている、隠れた実力派蒸留所です

 

モートラックの歴史

 

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引用元:https://www.whiskybase.com/whiskies/distillery/75/about

 

1823年にスペイサイド地方のダフタウン地区で創業したモートラック蒸留所

近所には、グレンフィディックバルヴェニー、グレンダラン、ダフタウンなど様々な蒸留所がある中、ダフタウン地区で一番最初に開業したのがこのモートラック蒸留所です

ちなみにダフタウン地区で二番目にできたのは、1887年のグレンフィディック蒸留所なので、圧倒的な歴史があります

創業当初は、経営に右往左往しており、オーナーも幾度も替わる困難を経験していましたが、そんなモートラック蒸留所に転機が訪れたのが、創業から30年後

地元出身のジョージ・コーウィーという実業家がモートラック蒸留所を購入しオーナーとなりました

このジョージという人物、イギリスの鉄道開発に多大なる貢献をした技術者で、スコットランドに鉄道を開通させた、とても優秀な人

ということで、ウイスキー造りにおいても究極の味わいを追求したジョージ

まずはウイスキーの味わいを化学的に分析するために、ロンドン大学薬学部で薬学を専攻した息子のDr.アレクサンダー・コーウィーを呼び寄せます

このアレクサンダーが薬学と化学の経験を活かして開発したのが、2.81回蒸留システム

他の蒸留所ではどこもやっていないようなかなり中途半端な蒸留回数であり、熟練のウイスキー職人であっても理解するまでに半年はかかると言われている、この2.81回蒸留システム

超簡単なイメージでは、蒸留過程で3種類の性質の異なる原酒を造り出し、最後に3種類を掛け合わせることで、独特の性質を持ったウイスキーが出来上がるらしいです・・・

ということで、モートラックの「ダフタウンの野獣」と呼ばれるほど力強く芳醇な味わいは、この変わった蒸留システムにより造られていると言われています

そんな変わった蒸留所システムを発明したアレクサンダーは62歳で仕事を引退し、モートラック蒸留所はジョニーウォーカーへ売却されることとなります

そして、ジョニーウォーカーに売却されたことで、現在もジョニーウォーカーと同じ、ルイ・ヴィトングループのモエ・ヘネシーディアジオ傘下の蒸留所として活躍しています

 

モートラックの種類

 

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引用元:https://whiskynews.blog/2018/07/24

 

モートラック 12年

 

 

モートラックのラインナップで、最もお手頃にモートラックの個性を楽しめるのがモートラック 12年

1本6500円ぐらいと12年もののウイスキーとしては、かなり高いけど・・・価値は間違いなくあります!

「ダフタウンの野獣」の異名を存分に味わえる、力強さが何よりもの特徴で、モートラックの代名詞でもあるミーティーさ(肉のような旨み)のある味わいも楽しめます

また、力強さという特徴には、アルコールの辛さも含まれているので、1本6000円以上の12年もののウイスキーとしては、信じられないぐらいに辛いです

ただ、カカオ、木の樽、バニラ、レーズンなどとにかく複雑な香りが何層にも重なっており、ウイスキー好きなら必見!

同じ価格帯のライバルである、万人受けするマッカランとは違う、通好みの旨みを楽しめます

 

モートラック 16年

 

 

16年の熟成を経て、ひとつ下のラインナップであるモートラック 12年の良さをさらに伸ばしたイメージが16年

価格も1本1万2000円程度と、ほぼ2倍に跳ね上がっており、おいそれと買えるボトルではありません・・・

力強い木や革のような香りだけでなく、ハーブのようなどこかピリッとした草の味わいも加わっています

 

モートラック 20年

 

 

モートラックのラインナップの最高峰に位置するのが20年

ただでさえ複雑で面白いモートラックが、とにかく上品で複雑になっており、一種の完成形を味わえます

スペイサイドらしいフルーティーさや、ハーブのスパイス感、またお香のような上品な香りが漂いながらも、木や土の香りにアルコールの辛さというモートラックらしさは20年でも変わらず!

上品なハードボイルドウイスキーの完成形と言えるような、面白いウイスキーです

 

モートラック レアオールド

 

 

かつて販売されていたノンエイジのモートラック

2019年に終売になってしまいましたが、まだ多くのボトルが流通しています

ノンエイジの若いウイスキーの刺激を極力抑えるために、バーボン樽とシェリー樽の原酒が絶妙に組み合わされており、甘い味わいで飲みやすいです

現在にも通じるモートラックの力強い味わいに、バニラやプラムのような甘く上品な味わいが楽しめて、モートラックのちょっと意外な一面が見えたボトルです

 

まとめ

 

「タバコのような風味」「肉のような味わい」

と、言葉で聞いただけでは、なんだかとんでもないウイスキーに思えるモートラック

しかし、世界中のウイスキー好きから概ね高評価の、とても完成度の高い銘柄でもあります

最低1本6500円以上と、なかなか手の出しにくい価格ではありますが、スペイサイドの華やかな風味だけではなく、独特の力強く荒々しい味わいが調合されたモートラックは唯一無二

ウイスキー好きなら一度は味わってみたい、こだわりの銘柄のひとつです