世界的に有名なバランタインのキーモルトとして使われるスキャパ
スキャパ自体はあまり有名ではないけど、「バランタインの甘い味わい 」といったらイメージできる人も多いのではないでしょうか?
ということで今回は、そんな隠れた実力者・スキャパの特徴、歴史、ラインナップごとの違いを初心者の人にも一から分かるように解説してみようと思います!
スキャパの味や種類/スキレン・グランサの違いを解説
スキャパとは?
スコットランドの最北端、オークニー諸島にあるメインランド島で造られるスキャパ
海の近くで造られるウイスキーらしい、潮っぽい味わいが特徴のウイスキーです
またスキャパは、トロピカルフルーツのような南国の味わいが隠れていることも有名で、他にも洋梨、メロンなど蜜のように甘いフルーツの味わいが楽しめます
世界的に有名なブレンデッドウイスキー、バランタインのキーモルトとしても有名で、特にバランタイン 17年の、ひと口目に感じるフルーティさと華やかな印象は、ほぼスキャパのウイスキーのおかげであると言われています
スキャパの歴史
1885年にメインランド島で創業したスキャパ
最先端技術である蒸気エンジンをいち早くウイスキー蒸留所に取り入れ、当時、一般的だった直火焚きから、蒸気熱による蒸留に切り替えています。また、蒸留所の建物は、第一次世界大戦中は、イギリス海軍の兵舎としても利用されており、現在も歴史的に貴重な建造物として、観光客が絶えない蒸留所です
1954年には、カナディアンウイスキーで有名なハイラム・ウォーカー&サンズ社に買収され、最新の蒸留器を導入するなど、常に技術への投資を惜しまないウイスキーブランドでもあります
ちなみに100年以上の歴史の間で、操業を停止していた時代もあったスキャパ蒸留所
操業停止中は、同じメインランド島の蒸留所であるハイランドパーク蒸留所の従業員が、設備保持のために出向して蒸留を行っていたというエピソードもあります
スキャパの製造方法
スキャパに使われる仕込み水は、蒸留所から3kmほど離れた場所から採取される硬水を使用。発酵は15℃程度の低温で、100時間以上と長い時間をかけて行うのがスキャパの特徴です
また、蒸留では、「ローモンド・スチル」と呼ばれるポットが使用され、現在この形の蒸留器を使用しているのは、世界中でスキャパだけという珍しいポットです。この独特の蒸留器の形状が、スキャパのパイナップルのような特徴ある香りを生み出すと言われています
熟成は主にバーボン樽が使われ、香りの強いファーストフィルの樽のみを使用すると言うのがスキャパのこだわり
パイナップルのようなスキャパ特有のトロピカルフルーツの味わいは、おそらく独特な形状のポットと、ファーストフィルのバーボン樽の組み合わせで生まれると言われています
スキャパの種類
スキャパ スキレン
ノンエイジのボトル。現在日本で正規輸入を担当しているサントリーが取り扱うのは、このスキャパ スキレンのみです
洋梨やメロンのような、とても濃厚な甘みを持つフルーツの味わいを中心に、花の香りやバニラの甘みが程よく混ざっており、後味にはシナモンやレモンのようなスパイシーで爽やかな余韻が続くのが特徴です
人によっては、ちょっと人工的な香りと感じる人もいるかもしれませんが、バランタインの香りの中核を担う香りなだけあって、強く華やかな香りはとても印象的です
スキャパ グランサ
日本国内でもう一つ買えるボトルがこれ!
上で紹介したスキレンはサントリーが輸入・販売を担当していますが、こちらグランサは、それぞれの酒屋や輸入業者が独自にイギリスから輸入し販売を行っています。いわゆる並行輸入品というものです
バーボン樽での熟成を経た後、強い香りを持つ種類の「エクストラピーテッドウイスキー」の樽で追加熟成させるという、かなり独特な熟成を行っているグランサ
香りは華やかなスキレンとは対照的に、薬品や煙のような荒々しい成分が強いです
ただ、バニラ、お花、ライム、キャラメルなどスキャパらしい甘くて優雅な香りも感じられるので、とても複雑な味わい
1本7000円程度と、ちょっと高いけど、通好みのウイスキーを探している人にはおすすめです!
まとめ
世界的銘酒バランタイン 17年のひと口目の香りと言われるスキャパ
華やかで甘い香りは、マニアなウイスキー好きの間では人気の知る人ぞ知る味わい
日本での知名度は低いけど、バランタインが好きな人や甘いウイスキー飲みたい人は買ってみると面白いかもしれません
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