マッサンこと竹鶴政孝がかつて、ウイスキー造りを学んだ地でもあるキャンベルタウン
時代が移り、現在3つの蒸留所が稼働するのみとなってしまいましたが、そんな現在のキャンベルタウンの蒸留所の中でも、最も有名なのがスプリングバンク!
異常なほどにウイスキー造りの伝統と品質にこだわっており、世界中のウイスキーファンから一目置かれる蒸留所でもあります
ということで今回は、そんなスプリングバンクの特徴、歴史、ラインナップごとの違いを初心者の人にも一から分かるように解説してみようと思います!
スプリングバンクの味や種類/10年・12年・14年・15年・18年・21年の違いを解説
スプリングバンクとは?
ウイスキー初心者にはあまり知られていないけど、ウイスキー好きなら必ず一目置くメーカーであるスプリングバンク
スコットランドの港町・キャンベルタウンに位置し、かつては一つの街に30近い蒸留所が存在した、ウイスキー造りがとても盛んな街です
ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝も、ウイスキー造りを学ぶために、ここキャンベルタウンで修行をしており、ニッカウヰスキーの余市が特徴とする、煙くさく塩辛い味わいはキャンベルタウンのウイスキーの特徴を受け継いでいると言われています
そんなキャンベルタウンに残る数少ない蒸留所であるスプリングバンクも、潮っぽさと煙の後味を強く反映しており、またレモン、オレンジ、桃などフレッシュな果物の酸味と爽やかさが混ざり合っている、とても香り高いウイスキーです
様々なアロマが織りなす味わいを楽しめるスプリングバンクは、ウイスキー好きからは概ね好評で、一度飲んだらまた飲みたくなる独特の味わいとして、世界中にファンが多い銘柄です
スプリングバンクの製造場所
スコットランドの南に位置するキンタイア半島の港町・キャンベルタウンにあるスプリングバンク蒸留所
かつては30近いウイスキー蒸留所と漁業が栄えた街で、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝は、かつてこの地に存在したヘーゼルバーン蒸留所でウイスキー造りの修行をしました
海の近くの蒸留所のウイスキーらしく、塩辛い味わいが特徴なスプリングバンク。また、昼夜の寒暖の差が激しく、霧が多いキャンベルタウン。スプリングバンクの塩辛さは、霧に含まれる潮気が、熟成中のウイスキーに宿っていると言われています
スプリングバンクの歴史
キャンベルタウンに存在した他の蒸留所同様、何度か蒸留所閉鎖の危機を経験しましたが、質の高いウイスキー造りが評価され、現在に至ります
元々、30近い蒸留所があったキャンベルタウンは、現在は、スプリングバンク、グレン・スコシア、グレンガイルの3つの蒸留所が残るのみとなっています
また、現在のキャンベルタウンでは最も勢いのある蒸留所であるスプリングバンク。1985年にはロングロウ、1997年にはヘーゼルバーンと、かつてこの地に存在したライバル蒸留所の味を再現するボトルを発売し、現在スプリング蒸留所では、3つの全く異なる銘柄を楽しめるという、ちょっと変わった取り組みを行っています
スプリングバンクの製法
スプリングバンクのウイスキー造りの一番の特徴は、製麦からボトリングまでを全て自社で行っていること
また、麦を発芽させるための製造工程は、フロアモルティングと呼ばれる手作業で行われており、スコットランドでも数少ない伝統とこだわりを維持する蒸留所です
仕込み水は、街の近くにある、クロスヒル湖の水と、蒸留所敷地内の井戸水をかけ合わせて使用しており、蒸留回数は2.5回とかなり珍しい蒸留方法を採用しています
「モルトの香水」という異名を持つほど、香り高いウイスキーが特徴のスプリングバンク。他社にはない独自のこだわりが、独特の味わいを生み出しているのが世界的評価の秘訣です
スプリングバンクの種類
スプリングバンク 10年
スプリングバンクの最もお手頃なボトルで、初めてスプリングバンクを飲む人には一番おすすめ!
スプリングバンクの特徴である、かすかな煙くさい香りと塩味が感じられ、洋梨やバニラのような芳醇な甘さが、口いっぱいに広がります
甘さと塩気のバランスが絶妙で、後味には、シナモンやナツメグといったスパイスのようなパンチある香りがアクセントに加えられています
伝統ある上品な味わいが世界中で評価されるスプリングバンク 10年、ウイスキー好きなら一度は飲んでみたいです!
スプリングバンク 15年
シェリー樽で15年以上熟成させた原酒のみを使用しているのが15年
シェリー特有のフルーティで華やかな甘さと、ダークチョコレートのようなビターな後味が特徴です
10年に比べると、バニラのような芳醇な甘さは控えめで、シェリーの酸味とフルーティな甘みを楽しむことができます
砂糖や蜜のような甘みというよりも、上品なフルーツの甘みを意識している15年は、食後酒にぴったり!
スプリングバンク 18年
18年以上熟成のシェリー樽原酒を中心に使用しているのが18年
バーボン樽原酒も20%ほど混ぜられており、シェリーの華やかなフルーティさだけではなく、バニラやカラメルのような甘みも加わっています
シェリーの特徴、バーボンの蜜のような甘み、そしてスプリングバンク特有の塩気が絶妙にマッチしており、これぞスプリングバンクの真骨頂!と言える、かなり実力の高いボトルです
まとめ
世界屈指に完成度の高いウイスキーとして、ウイスキーファンから人気があるスプリングバンク
独特のしょっぱい塩味は、港町・キャンベルタウンで造られたウイスキーのアイデンティティであり、きっと一度ハマると抜け出せない魅力があります