ウイスキーの本やサイトを見ていると、
「ピート」って言葉をやたらと目にしません?
ちなみに、このブログでもこれまでに、
おそらく数百回は「ピート」って書いていると思います(笑)
で、
なんかみんなして当たり前のように使っているけど、
そもそもピートってなんだ?
今回はそんな人のために、「ピート」について初心者の人もほぼ完璧に分かるように解説してみようと思います!
- 【初心者向け】ウイスキーのピートとは何だ?香り・おすすめ銘柄を徹底紹介!
- なぜウイスキー造りにピートが使われるのか?
- ピートは1種類だけじゃない!特徴と性質の異なる種類
- ピートの香りが強いウイスキーおすすめ銘柄
- まとめ
【初心者向け】ウイスキーのピートとは何だ?香り・おすすめ銘柄を徹底紹介!
ピートとは「泥炭」のことである!
まず、一言で超簡単に説明するとこう!
ピート = 泥炭
はい!
これで60点ぐらいは取れます!
だけど、そう言われても、
次にこんな風に思いませんか?
うん?
泥炭ってなんだ?
ちなみに筆者は、この記事書いている現在も、
生まれてから一度も「泥炭」というものを見たことがありません
みなさんは泥炭って見たことありますか?
泥炭とは「石炭」になりかけの物質
そもそも泥炭とは何か?
これも一言で説明するとこう!
泥炭 = 石炭になりかけの物体
泥炭が、とてつもない長い年月をかけると、
石炭へと変身します!
で、
泥炭って名前通り、見た目はほぼ土みたいな感じ
ただ、火をつけると燃やすことができ、燃料として使用できます
そして何で土みたいな見た目をしているのに泥炭が燃えるのかというと、
泥炭の元々の原料は植物
植物が大体、3000年ぐらい地面に堆積していると泥炭に変わると言われています
ちなみに泥炭なんて見たことない筆者
それもそのはず!
というのも、日本ではほとんどなじみのない物質で、基本的に気温の低い湿地帯でしか泥炭は生まれません
日本では、北海道が泥炭の産地として有名です。また、ウイスキーの本場であるスコットランドも泥炭がかなり採れる場所です
スコットランドでピートが使われる理由
ということで、日本ではほぼなじみのある人が少ない泥炭
だって、燃料に使うなら、土みたいな物質燃やすよりも、そこらの木を切って燃やした方が早いですもんね
一方、スコットランドって、あまり木が生えていない
つまり、木の生えないスコットランドで、泥炭は燃料として古くからなじみのある物質でした。ちなみに、現在もスコットランドの一部家庭では、暖炉に火をつける時、薪ではなく、泥炭を燃やす風習があるようです
なぜウイスキー造りにピートが使われるのか?
ということで!
ここまでの情報で、
ピート = 泥炭
ということは分かってもらえたと思います!
ここからは、
どうしてピートがウイスキー造りに使われるのか?
について解説してみようと思います!
ピートは火を焚くための燃料!
どうしてウイスキーに泥炭を使うのか?
これをものすごく簡単に説明すると、
原料の大麦を乾燥させるために火を焚く必要があるから
これが一番簡単な答え!
ただこれだけじゃよく分からないと思うので、もう少し詳しく見てみましょう!
ウイスキー造りには麦芽に含まれる酵素が重要!
ウイスキーの原料には、大麦が使われます
で、この大麦が、ただの大麦じゃなくて、
水に浸して、少しだけ発芽させた大麦を使います
この少しだけ発芽というのがポイントで、
芽には酵素がいっぱい含まれており、この酵素がウイスキーの発酵に役立つので、ウイスキー造りには大麦の麦芽が使用されます
てことで、あまり成長されすぎると、酵素が減ってしまうので、大麦の成長を止める必要があります
その時に使うのが、焚き火!
ほんの少しだけ発芽した大麦に、焚き火の熱を当てることで、水分を飛ばして乾燥させ、成長できないようにします
そしてこの焚き火の燃料に使われるのがピート!
上の方でチラッと書きましたが、スコットランドでは、木材が少ないので、焚き火や暖炉にはピートを使うのが一般的です
てことで、ウイスキー造りのための焚き火も、ピートを燃料として火を起こしていました
そして現在も、ウイスキー造りにおいて、ピートによる火起こしはなくてはならないものとなっています・・・
ここで!
こんな風に思う人はいませんか?
こんなに技術が進んだ21世紀なんだから、
わざわざピート使う必要なくね?
もっと石油とか使えばいいじゃん!
煙くさいピートの香りはスコッチウイスキーの象徴!
はい!
で、
21世紀の現在なら、スコットランドに木材届けることだって、石油だって使えるのにあえてピートを使う理由はこれ!
香り付け
ピートを燃やすと、独特の煙くさい香りが発生します
そしてこの香りは、ウイスキーの原料となる乾燥中の大麦にも染みつきます
この煙くさい香りが染み付いた大麦を使用して造られた原酒が、
スコッチウイスキー特有の「スモーキーとか煙くさい」と例えられる香りの正体!
そして、世界五大ウイスキーである、
アイリッシュウイスキー、カナディアンウイスキー、アメリカンウイスキーはこの煙くさい香りがしません
ピートを使っていないのだから当たり前ですよね
ということで、
ウイスキーのスモーキーな香りの強さは、この麦芽乾燥の焚き火に使うピートの量によって、ある程度調節ができるという訳です
ちなみに、スコッチウイスキーをお手本に造られたジャパニーズウイスキー
ニッカウヰスキーが北海道の余市に蒸留所があるのはそのためで、余市付近で良質なピートが採取できることから、この地が選ばれました
ピートは1種類だけじゃない!特徴と性質の異なる種類
ということで!
ピートとは何か?
については、ここまでの情報で完璧に分かってもらえたと思います!
ここからはプラスアルファの知識!
ピートについて、120点の点数が取れるように、もう少し知識を深めてみましょう!
ピートの原料となる植物でウイスキーの香りが変わる!
一般に、
ピート = 煙くさい香り
こんなイメージを持っている人がほとんどだと思います
だけど、同じピートでも産地によって香りが違うって知ってました?
というのも、
ピートの原料になる植物
この植物の種類が違うと、ピートの香りもまるっきり変わってきます
例えば、
海の近くで採れるピートは、海藻由来や海の潮の香りが染み付いた植物が多いので、
潮の香りを含んだ煙くささがあります
また、
スコットランド最北端は、木どころか、背の高い植物すら育たないとても厳しい環境なので、野草ぐらいしか生えていません
で、この野草にはヒースと呼ばれる花が含まれており、
花の香りがする華やかな煙くささがあります
こんな感じで、原料となる植物によって、同じピートでも全く性質の異なる香り付けができます
ピートの香りが強いウイスキーを飲む時は、このピートはどんな植物由来なのかも調べてみると面白いですよ!
ピートの香りが強いウイスキーおすすめ銘柄
ということで、
ウイスキーに使われるピートとは何か?
ここまで読んだ方は、完璧に理解してもらえたと思います!
ここからは、そんなピートの香りが強く、煙くささを楽しめるおすすめウイスキーを紹介しようと思います!
アードベッグ
そんなアイラ島で最もピートの香りが強いと言われるのがアードベッグ
煙くささを表す数値であるフェノール値は、55ppm!
ピートの煙くさいウイスキーが好きな人は、一度は飲んでおきたいおすすめウイスキーです!
また、キアヌ・リーブス主演の映画『コンスタンティン』で悪魔祓いの余命わずかな主人公が飲んでいたウイスキーでもあります
アードベッグ好きは、キアヌ演じる悪魔祓い師とアードベッグのイメージはまさにぴったり!と納得してもらえるはず(笑)
アードベッグの味や評価についてもっと詳しく知りたい方はこちら!
ラフロイグ
アイラ島でアードベッグの次にピートの香りが強いと言われているのがラフロイグ
あまりにも香りが強すぎて、「消毒液」と例えられていることが多いです
しかし、辛くて無骨な印象があるアードベッグに対して、どこかバニラのような甘さも持っているラフロイグ
煙の香りと、甘みのある味わいが複雑に混ざり合い、なんとも絶妙です!
世界中にファンが多いラフロイグ、イギリスのチャールズ皇太子のお気に入りウイスキーでもあり、英国王室公認ウイスキーにも認定されています
ラフロイグの味や評価についてもっと詳しく知りたい方はこちら!
ボウモア
アイラ島のウイスキーを初めて買う人におすすめされることが多いのがボウモア!
そこそこに煙くさいちょうど良い味わいで、初めて飲む人にも親しみやすい味わいです
また、煙の香りの奥には、カカオやダークチョコのようなビターでまろやかな味わいが隠れており、とにかく複雑!
その気品ある風味と、誰にでも親しみやすい味わいから「アイラの女王」という異名を持つ、格式あるウイスキーです
ちなみに筆者が一番好きな銘柄でもあります!煙くさいウイスキー好きな人のスタンダード的な銘柄なので、超おすすめ!
ボウモアの味や評価についてもっと詳しく知りたい方はこちら!
余市
ジャパニーズウイスキーで煙くさいウイスキーといったらやっぱり余市!
日本の主要泥炭産地である北海道で造られる、ニッカウヰスキーの主力ボトルです
一般的に、煙くさいウイスキーを好まない人が多い日本人
ということで、日本のウイスキーって、たいていはピートの香りを弱めにしていることが多いです
しかし、この余市はニッカの創業者である竹鶴政孝がスコットランドで学んだウイスキー造りを現代に伝える歴史あるボトルで、ピートの香りもしっかりと再現されています
最近は空前のジャパニーズウイスキーブームでなかなか手に入りにくいですが、日本のウイスキーを語るなら、一度は飲んでおきたいおすすめ銘柄です!
まとめ
ということで、ウイスキーのピートについての紹介でした!
ピートってよく聞くけど、なんだか詳しいことはわからない・・・
という人も、もうこれで完璧!
伝統あるスコッチウイスキー造りには欠かせない原料であると分かってもらえたと思います
また、煙くさいウイスキーって嫌いな人が多いけど、一度ハマるとなかなかに抜け出せない奥深い味わい
この記事を書いている筆者も、
煙くさくないウイスキーってなんか物足りないなー・・・
って思うぐらい、
スモーキーなウイスキー大好き!
これを読んで、もしも煙くさいウイスキー飲んでみたいと思った人は、ぜひ足を一歩踏み入れてみるのおすすめですよ!
ハマる人には、ウイスキーどころか、焼酎やビールが物足りないと思ってしまうぐらいどハマりするはず!
ちなみに筆者おすすめはやっぱりボウモア!
煙くさいウイスキーとしては、ほどほどの香りの強さで、また煙の香りだけではなく、複雑に何層にも重なる味わいはウイスキー全体で見ても、とてもレベルの高い銘柄です