スコットランドのアイラ島で造られるウイスキーと言えば、正露丸や消毒液に例えられるほど強烈な煙の香りが有名です
そんな特徴あるアイラ島のウイスキーで、数少ないごくごく普通のウイスキーを造っているのが今回紹介するブルックラディ蒸留所!
ということで今回は、そんなブルックラディの特徴、歴史、ラインナップごとの違いを初心者の人にも一から分かるように解説してみようと思います!
ブルックラディ/ブルイックラディの味や種類/クラシック・アイラバーレイ・ポートシャーロット・オクトモアの違いを解説
ブルックラディ/ブルイックラディとは?
ブルックラディはスコットランドのアイラ島で造られるウイスキー
お店やネットのサイトによっては、「ブルイックラディ」と表記されることもありますが、どちらでもOKということになっています
そして、ブルックラディのウイスキーの一番の特徴は、煙くさくないこと!
アイラ島のウイスキーといったら、独特の煙くさい香りが有名で、世界中に熱狂的なファンも多いウイスキーですが、ブルックラディは「アイラ島らしくない」ウイスキーを造るのが特徴!
看板商品の「ブルッグラディ/ブルイックラディ」はピートを全く使用しないノンピートウイスキーとして、じわじわと人気が出ている1本です
ちなみに、ブルックラディ蒸留所、アイラ島らしい煙くさいウイスキーもしっかり造っており、こちらは「オクトモア」というボトル名で販売されています
そしてこのオクトモア、実はアイラ島のどんな蒸留所も差し置いて、世界一ピートの香りが強いウイスキーだったりします・・・
ブルックラディ/ブルイックラディ蒸留所とは?
1881年に創業したブルックラディ蒸留所
アイラ島の8つある蒸留所の中では、キルホーマンと並んで西の方に位置します
ちなみに海岸沿いを南に進んだ、すぐご近所には、かつてポートシャーロットという蒸留所も存在していましたが、現在は閉鎖されています
現在ブルックラディのラインナップは大きく3つあり、
- ブルックラディ(ノンピーテッド 0ppm)
- ポートシャーロット (ピーテッド 40ppm)
- オクトモア(ヘビリーピーテッド 80〜300ppm以上)
の3種類のブランドを展開しています
ピートの強さによって、ブランド名を変えているのが特徴で、
生産割合は
ブルックラディが70%
ポートシャーロットが20%
オクトモアが10%
となります
そして、ここで「ポートシャーロット」ってなんか聞いたことあるな・・・?
って気付いた人は鋭い!
ちょっと上で紹介した、かつてご近所にあった蒸留所であるポートシャーロット。閉鎖された現在は、ブルックラディ蒸留所が製造し、当時の味わいを再現しています
また、ブルックラディ蒸留所は、ウイスキーだけでなく、アイラ島原産のボタニカル素材を利用した、ジンを製造していることでも有名です
ブルックラディ/ブルイックラディの歴史
1881年に創業したブルックラディ蒸留所
創業当時は、最新鋭の設備を備えたスコットランド屈指の蒸留所でした
しかし経営にはあまり恵まれず、その後、何度かの買収や生産停止を経験し、1994年にはついに蒸留所閉鎖に追い込まれてしまいます
しかし、2001年に、ワインを専門とする商人がブルックラディ蒸留所を買収し、そこからとんとんと再建が完了
2012年10月から、生産が再開され現在に至ります
一見、買収や閉鎖で、ウイスキーの味も変わってしまったのでは?と思う人も多いと思います
しかしウイスキーの製法については、どの時代のオーナーも最大限の敬意を払い、現在もコンピュータ制御や自動製造を導入せず、一部は創業当時の設備を大切に使っているなど、古風なウイスキー造りもブルックラディ蒸留所の魅力です
ブルックラディ/ブルイックラディの種類
ブルックラディ ザ・クラシックラディ/ブルイックラディ
ブルックラディのラインナップの中心的なボトル
ウイスキーとしてはなかなか珍しい、ひとめでブルックラディだ!と分かる水色のボトルが特徴
アイラ島特有のピートは使用していないので、煙の香りはしません
バニラのような甘みや、洋ナシの爽やかさ、またナッツのような木の香りなど、ウイスキーらしい味わいが詰まった1本
アイラ島のウイスキーとは思えない、とても王道のウイスキーの味がします
ブルックラディ アイラ・バーレイ/ブルイックラディ
「アイラ」という名前がつけられている通り、地元アイラに敬意を払ったウイスキーがこれ!
アイラ島の畑で造られた大麦のみを使用しているという、かなりのこだわりのウイスキーで、その年に収穫された大麦しか使わないため、
2018→2019→2020など、名前の最後には必ず西暦が入ります
そしてそれだけで終わらないのが、 ブルックラディ アイラ・バーレイのすごいところ!
1本のボトルに入る大麦は、全て同じ農場で造られたものというこだわりも持っており、ボトルには、農場名・場所・生産者の名前まで書いてあります
おそらく世界で一番、原料にこだわっているウイスキーだと思います
ポートシャーロット 10年
「ポートシャーロット」という名前だけど、造っているのはブルックラディ蒸留所
昔、ご近所にあったポートシャーロット蒸留所の名前を冠して、ブルックラディ蒸留所のブランドの一つとして販売されているウイスキーです
煙の香りが全くしないブルックラディとは対照的に、そこそこに煙の香りがするのがポートシャーロット 10年の特徴!
煙の香りの強さを示すフェノール値は、40ppmとなっており、だいたいラフロイグと同じぐらいの香りの強さです
味わいは、土っぽい煙の香りが特徴で、バーボン樽由来のバニラや蜂蜜の甘みを楽しめます
また、フレンチワイン樽を25%使用しているという、なかなか珍しいウイスキーで、どこか上品で優雅な香りも感じられます
土・甘み・上品となんだか想像のできない3種類の味わいが混じっているポートシャーロット 10年、1本7000円ぐらいとやたらと高いけど、amazonでは割と高評価なウイスキーなので、怖いもの見たさに買ってみるのおすすめかも?
オクトモア
右に出るものはいない史上最強のピートの香りがするウイスキー
フェノール値は100ppmを超えており、アイラ島最強のアードベッグ(55ppm)ですら、泣いて逃げるレベル
もはや人間の感覚が認識できる香りを超えているとも言われており、実際に飲むと大して煙くさくなかったりもします・・・
1本2万円以上と、ウイスキーの中でも異常に高いので、おそらくもっと他の高級ウイスキーを買った方が良いのでは?と筆者個人的には思います・・・
ちなみに、amazonで「オクトモア」と調べると、「09.2」「10.1」「10.3」みたいな、なんやらロボットみたいな機械的な数字がついていると思います
これは、小数点前の数字はエディション番号。例えば、「09」は既に終売。2020年は、「10」が最新のボトル
また、後ろの「.1」は100%バーボン樽を使用していること、「.2」はワイン樽熟成原酒がブレンドされていること、「.3」はオクトモア農場産大麦を100%使用していること、「.4」は新樽熟成原酒使用を指しています
まとめ
ということで、アイラ島らしくない煙くさくないウイスキーばかり造っているのかと思いきや、世界最強クラスのもはやネタレベルのウイスキーも造っているブルックラディ
オクトモアを買う人はまずいないと思いますが、人間が知覚できないレベルの煙くささが気になるお金持ちの人は買ってみるのもおすすめかもしれません・・・