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グレンスコシアの味や種類/キャンベルタウンハーバー・ダブルカスク・ビクトリアーナ・15年・25年の違いを解説

かつてスコットランドの中でも屈指のウイスキー製造地であったキャンベルタウン

そんなキャンベルタウンも時代の流れと共に、みるみる衰退し、現在は3つの蒸留所を残すのみとなってしまいました

その3つの蒸留所のうちの一つが、今回紹介するグレンスコシア蒸留所

スプリングバンク蒸留所という超有名なキャンベルタウンのスターの影に隠れて、あまり目立たない蒸留所ですが、意外と良いウイスキー造ってたりします

ということで今回は、そんなグレンスコシアの特徴、歴史、ラインナップごとの違いを初心者の人にも一から分かるように解説してみようと思います!

 

 

グレンスコシアの味や種類/キャンベルタウンハーバー・ダブルカスク・ビクトリアーナ・15年・25年の違いを解説

 

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引用元:https://foodanddrink.scotsman.com/drink/campbeltown-distillery-glen-scotia-announces-launch-of-25-year-old/

 

グレンスコシアとは?

 

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引用元:https://www.offeroasis.co.uk/competitions/food_and_drink/glen-scotia-harbour-whisky-polo-shirts.html

 

スコットランドの港町・キャンベルタウンにあるグレンスコシア蒸留所

キャンベルタウンはスコッチウイスキー主要生産地の6つにも入る、由緒正しいウイスキーの生産地でした

 

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しかし、時代の変遷と、高品質なウイスキーよりもたくさん量が造れる安価なウイスキー造りに傾倒したことで、キャンベルタウンのウイスキー造りはみるみる衰退

かつて30あった蒸留所は、現在はたった3つを残すだけになってしまいました

そんなキャンベルタウンの3つある蒸留所のひとつがグレンスコシア蒸留所

スプリングバンク、グレンスコシア、グレンガイルの3つは、現在もキャンベルタウンに残る貴重な蒸留所たちです

 

グレンスコシアの歴史

 

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引用元:https://greatdrams.com/glen-scotia-double-cask-review/

 

1832年に創業したグレンスコシア蒸留所

1832年というと、スコットランドの蒸留所の中でもかなり歴史のある蒸留所になりますが、当時すでにウイスキー全盛期であったキャンベルタウンには24もの蒸留所がありました

ということで、その後も30近い蒸留所が競い合っていたキャンベルタウンのウイスキー造り

しかし、1920年代に入り、アメリカが禁酒法を始めたことで、キャンベルタウンの多くの蒸留所は質の悪いウイスキーをどんどん密輸して儲けを出します

そして、世界恐慌が始まった1920年代。不況のあおりを受けて、多くの蒸留所が閉鎖。残念ながら、グレンスコシア蒸留所も1930年に一度閉鎖を経験しています

また、当時のグレンスコシア蒸留所のオーナーは借金に追われて、自ら命を絶ってしまうというどん底の状態でした

しかし、1933年にブロッホ・ブラザースという会社がグレンスコシア蒸留所を買収し復活

その後、様々なオーナーの手を渡り歩き、純風満帆かと思いきや、1979年に大金をかけた蒸留所の大改装が裏目に出てしまい、また閉鎖してしまいます

そして、7年近い閉鎖期間を経て、1989年にもう一度復活したグレンスコシア蒸留所

二度目の復活の後は、細々とウイスキー造りを行っていましたが、2014年に大手ウイスキーメーカーであるロッホローモンド社に買収されて経営は好転

設備の増強や蒸留所見学の拡充など、攻めの投資を行い、現在は安定した経営を行っています

 

グレンスコシアの種類

 

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引用元:https://www.glenscotia.com

 

グレンスコシア キャンベルタウンハーバー

 

 

グレンスコシアを初めて買うならこれ!といえるおすすめボトル

ファーストフィルのバーボン樽による熟成を経ており、熟成年数はノンエイジとなっています

キャンベルタウンのウイスキー特有の潮の香りとしょっぱさがしっかりと現れており、またフルーツやお花のようなとても上品な香りが広がります

キャンベルタウンハーバーの名前通り、まさに港町の光景が頭に浮かぶような海の香りを楽しめるウイスキーです

また味わいはバニラや桃のように甘く、ノンエイジのボトルでありながら意外と飲みやすいです

1本4000円ほどと、ノンエイジのボトルにしては高く思えるけど、潮の香りが楽しめるキャンベルタウンを象徴するようなウイスキーなので、おすすめ!

 

グレンスコシア ダブルカスク

 

 

ひとつ上で紹介したキャンベルタウンハーバーと同じように、ファーストフィルのバーボン樽で熟成した原酒を、さらに1年間、ペドロヒメネスシェリー樽で熟成したのがグレンスコシア ダブルカスク

シェリー樽特有の、カカオのような苦み、シナモンのようなスパイシーさ、フルーツやお花のような上品な香りと酸味が加わっています

上で紹介したキャンベルタウンハーバーの味わいに、そのままシェリーの風味が加わっているので、美味しいことは間違いなし!

ちなみにお値段も1本4800円ぐらいと、1年間の熟成の手間がかかっている割にはかなり安い!

800円足すだけで、シェリーの香りが味わえるので、よほどシェリーの風味が嫌いな人以外はおすすめ!

 

グレンスコシア ビクトリアーナ

 

 

樽から取り出した原酒に水を加えてアルコール濃度を調整しないカスクストレングスにあたるのが、グレンスコシア ビクトリアーナ

木の香り、バニラ、フルーツっぽい酸味など樽由来のウイスキーの味わいがとことん強調されており、さらにキャンベルタウン特有の塩気がアクセントとなり、とても面白い味わい

なかなか似たウイスキーはない、マニア好みの1本です

 

グレンスコシア 15年

 

 

アメリカンオーク樽で熟成させた後、シェリー樽で熟成させた15年以上熟成原酒を使用しているのがグレンスコシア 15年

製法としては、ダブルカスクと同じですが、熟成期間がかなり増えているので、樽由来の深みや味わいがさらに楽しめます

また、ダブルカスクに比べて、シェリーの風味が弱めなので、スモーキーでオーキーな樽本来の味わいが強いボトルです

1本6000円ぐらいと、15年ものウイスキーとしては意外とお買い得な値段なので、グレンスコシアで買うもの迷ったら、意外とこの15年買っておくのがベストかも

 

グレンスコシア 25年

 

 

アメリカンオークのバーボン樽で24年以上熟成し、その後ファーストフィルのバーボン樽で1年以上熟成した、とてもレアな原酒を贅沢に使用したグレンスコシア 25年

グレンスコシアのラインナップの最高峰で、グレンスコシアの味わいの全てが詰まっています

バーボン樽由来の、バニラ、蜂蜜、りんごのような甘酸っぱさがとても上品で、またグレンスコシアらしい潮のしょっぱさと、お花のようなアロマな香りが絶妙です

ワールド・ウイスキー・アワード2019で金賞を受賞している、評論家も認めたかなり完成度の高いウイスキーであるグレンスコシア 25年

お値段は1本3万5000円ととても高いけど、25年という熟成年数と最近の高評価の割には、意外とお買い得かも?

 

まとめ

 

キャンベルタウンのスターであるスプリングバンク蒸留所ばかりが注目されて、印象の薄いグレンスコシア蒸留所

しかし、スプリングバンクがどんどん高騰する一方、良心的な価格でキャンベルタウンの潮っぽい特徴あるウイスキーを楽しむには最適の銘柄だったりします

しょっぱくて甘いという不思議な味わいであるグレンスコシアのウイスキー

他の地方のウイスキーとは一味違う、なかなかに面白い体験ができるウイスキーなので、変わったウイスキーが好きな人は必見です!

グレンスコシア 15年なら、15年ものウイスキーなのに1本6000円程度と意外と安いですよ!