ニッカウヰスキーの数あるラインナップの中で最も価値あるボトルといったら、やっぱり竹鶴!
創業者・竹鶴政孝の名を冠したウイスキーで、伊勢志摩サミットの晩餐会では各国首脳にふるまわれたニッカの看板的銘柄です
ということで今回は、そんな竹鶴の特徴、歴史、ラインナップごとの違いを初心者の人にも一から分かるように解説してみようと思います!
竹鶴の味や種類/ピュアモルト・12年・17年・21年・25年の違いを解説
竹鶴とは?
マッサンこと、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝の名を冠している竹鶴
ニッカウヰスキーの2つの蒸留所である、余市と宮城峡の原酒をブレンドして造られています
2つの蒸留所の原酒をブレンドというと、「竹鶴はブレンデッドウイスキー?」と思う人もいるかもしれません
しかし、竹鶴はヴァッテドモルトウイスキーという珍しいタイプのウイスキーに分類されます
ブレンデッドウイスキーが、とうもろこしを原料とするグレーンウイスキーも混ぜ合わせるのに対して、ヴァッテドモルトウイスキーは大麦を原料とするモルトウイスキーのみを使用します
良くも悪くも軽い飲み口で特徴がないグレーンウイスキーが使用されていないため、モルト由来の重厚でリッチな飲み口が竹鶴の特徴です
ヴァッテドやブレンデッドの違いについて詳しくはこちらの記事!
竹鶴の歴史
2000年に発売された竹鶴
実は竹鶴政孝の死後の発売で、歴史は意外と浅いです
竹鶴が世に送り出される3年ほど前に、現在のニッカの主力商品であるブラックニッカ クリアが販売され、勢いに乗っていたニッカウヰスキー
ブラックニッカ クリアに続く商品として、「ブレンデッドウイスキーのように飲みやすいピュアモルトウイスキー」を造り出すことが社内プロジェクトとして進められ、竹鶴は誕生しました
何よりも飲みやすさにこだわった竹鶴
ベースには、華やかな香りが特徴の宮城峡蒸留所のウイスキーを使用し、香り付けに余市蒸留所のシェリー樽熟成のウイスキーを使用しているのが基本レシピ
「山崎」「白州」「余市」「宮城峡」など国内の有名モルトウイスキーブランドが、それぞれの蒸留所の個性を前面に押し出しているのとは対照的に、竹鶴は飲みやすさを重視して、2つの蒸留所のモルトウイスキーを掛け合わせる手法が取られました
またライバルのサントリー「山崎」などが6000円近い価格で売っているのに対して、竹鶴12年はたった2450円という異例の安さも、竹鶴の人気を後押ししました
竹鶴の製法
具体的なブレンドの比率は公表されていませんが、宮城峡蒸留所のウイスキーをベースに、余市蒸留所のシェリー樽熟成の原酒を香り付けに使用しているのが竹鶴の基本レシピ
味わいは同社から発売されている「シングルモルト宮城峡」に似ており、華やかな香りとフルーツのような味わいが強いです
しかし、「シングルモルト余市」の力強い煙くささもしっかりと受け継がれており、ニッカウヰスキーの異なる2つの蒸留所の特徴が、複雑に混ざり合っている味わいが竹鶴の楽しみの一つです
ちなみに、「竹鶴21年ピュアモルト」と「竹鶴25年ピュアモルト」は2016年に開催された伊勢志摩サミットでもふるまわれ、各国首脳陣が参加する晩餐会のテーブルには、日本を代表するお酒として竹鶴が並んでいました
竹鶴の種類
竹鶴ピュアモルト
竹鶴のラインナップの基本に位置するノンエイジの商品
最近はウイスキーブームによる原酒不足で、流通が安定しておらず見かけることも少なくなっています
宮城峡蒸留所由来の、やわらかくまろやかな飲み口がしっかりと受け継がれており、ノンエイジの商品ながらかなり飲みやすい味わいが特徴
また1本3000円程度と、国産プレミアムウイスキーにしては、結構お買い得なのもポイントのひとつ!
定期的に数量限定で流通しているこの竹鶴ピュアモルトが、2020年現在は市販で買える唯一の竹鶴!
竹鶴12年ピュアモルト
竹鶴のラインナップの中でも早々に終売になってしまったのが12年
2014年2月に終売になっており、現在はかなりのプレミアがついて取引されています
たった2450円で、12年ものウイスキーどころか、日本屈指の完成度を誇るウイスキーが飲めた、驚異の商品でした
竹鶴17年ピュアモルト
2020年3月をもって終売になりました
1本7000円と、17年もののウイスキーとしては異例の安さだった竹鶴17年ピュアモルト
海外の同価格帯のウイスキーにも負けないどころか、価格面で圧倒的に差をつけるとても優秀なウイスキーでした
竹鶴21年ピュアモルト
これも17年と同様に、2020年3月をもって終売になってしまいました
ひとつ上のラインナップである25年と並んで、伊勢志摩サミットでもふるまわれたニッカウヰスキーの自信作で、竹鶴の真価が分かる深みのあるウイスキー
1本15000円程度と、リッチで重厚な味の割には意外と安かったお値段も魅力のひとつでした
竹鶴25年ピュアモルト
竹鶴の通常ラインナップの最高峰に位置する絶品
価格も一つ下の17年の1本15000円からは一気に跳ね上がり、1本7万円とケタ違いのウイスキーです
25年以上熟成という、かなり数が限られた原酒を使用しており、ニッカウヰスキーの顔とも言える商品だった竹鶴25年ピュアモルト
2020年3月に終売になってしまいました
まとめ
ニッカの2つある蒸留所、余市と宮城峡で造られた原酒が組み合わされ、ニッカの本気が詰まった竹鶴
日本を代表するウイスキーとして、世界的にも人気が急上昇中の名作とも言えるウイスキーです
あまりの大人気ぶりで、最近は目にすることすら珍しくなってしまったけど、もしもどこかで売っているのを見つけたら、真っ先に買っておきたいおすすめボトル
日本のウイスキー好きなら一度は味わってみたいです