ニッカウヰスキーのラインナップでも屈指の歴史を持つ銘柄といえば、
スーパーニッカ
1962年に発売され、ニッカウヰスキーの創業者であり、「日本のウイスキーの父」「マッサン」と呼ばれた竹鶴政孝により生み出されました
当時は本格派のウイスキーがまだまだ少なく、市場にはウイスキーの原酒にスピリッツ(混合用アルコール)や着色料・香料などが混ぜられた三級ウイスキーも出回っていた時代
そんな時代に、「本物のウイスキー」として発売されたスーパーニッカは大きな話題を呼びました
ということで今回は、そんなスーパーニッカの特徴、歴史、ラインナップごとの違いを初心者の人にも一から分かるように解説してみようと思います!
スーパーニッカの味や種類/復刻版とプレミアムの違い・特徴・評価を解説!
スーパーニッカとは?
1962年に発売されたスーパーニッカ
当時は大卒の初任給が約15,000円程度だったのに対し、スーパーニッカは1本3,000円!
現在の価格に換算すると、1本4万円近いという大変な高額設定で販売されました
しかし、決してやり過ぎな価格設定ではなく、とにかく「最高のウイスキー」にこだわって造られたスーパーニッカ
あまりの珍しさから「まぼろしのスーパーニッカ」とも呼ばれた、このボトルの歴史や特徴を見ていきたいと思います!
亡き妻・リタに"マッサン"竹鶴政孝が捧げたスーパーニッカ
NHKの朝の連続テレビ小説『マッサン』を見ていた人も多いと思いますが、ニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝は、若き日のイギリスへのウイスキー留学時代から、ニッカウヰスキー創業まで、妻のリタとずっと二人三脚の日々を過ごしてきました
しかし、1961年にリタがこの世を去り、竹鶴は自室に2日間籠り、一切部屋から出ないほどのショックを受けてしまいます
そんな茫然とした日々を過ごしていた竹鶴、ふと生前のリタとの約束であり、プロポーズの言葉でもあった
「日本で本物のウイスキーを造る」
という大きな夢をまだ成し遂げていないことを思い出し、再びウイスキーへの情熱を蘇らせます
というのも、当時はアルコールに香料と着色料を加えただけのイミテーションウイスキーや原酒混和率0~5%と限りなくウイスキーが含まれていない三級ウイスキーなども市場に出回っていた時代
当時のニッカウヰスキーも竹鶴の本来の夢には不本意ながら、二級ウイスキーの『丸びんニッキー』が会社の主力商品であり、会社の存続と自分の夢の板挟みになっていた竹鶴・・・
しかし、妻・リタとの約束を果たすべく、67歳の竹鶴は自分の夢を実現する"最高のウイスキー"造りに没頭します
そして1年後に生まれたのが、スーパーニッカ
現在の価格にして1本4万円ぐらいの大変高価なボトルですが、売れ行きは極めて好調!
買いたくても店頭に並ばず、なかなかお目にかかれないことから、「まぼろしのスーパーニッカ」なんて呼ばれるほどの人気商品となりました
スーパーニッカの製法
竹鶴が"最高のウイスキー"として、徹底的に製法にこだわったスーパーニッカ
そんなこだわりもあり、量産化は難しく年間生産量はたった1000本が限界という、もはや幻の存在でした
そして、一番のこだわりとも言えるのが、ウイスキーが詰められるボトル
スーパーニッカのボトルは、日本を代表するクリスタルガラスメーカーであり、皇室御用達としても有名なカガミクリスタルが手掛けました
ちなみに、特徴的なフラスコのような形のボトルは、スーパーニッカのために特注で造られた訳ではなく、カガミクリスタルの工房に立ち寄った竹鶴が、工房に置いてあったこの入れ物を偶然発見し、スーパーニッカのボトルに採用しました
ということで、本来は工芸品であったスーパーニッカのボトル
独特の丸いフォルムは当時は機械製造が不可能で、1本1本手作りで造られました
また、手作りであったため、ボトルの口径は1本ごとにわずかな差が生じ、栓もボトル1本1本に合わせたもので密閉する必要があり、大変な手間がかかりました
そのような事情もあり、市場で大人気だったにも関わらず、なかなか店頭に現れなかったスーパーニッカ
スーパーニッカが「まぼろしのスーパーニッカ」と呼ばれたのには、こんな竹鶴の徹底したこだわりがあったからとも言えます
スーパーニッカの種類
スーパーニッカ
2020年現在販売されているボトルは、残念ながら竹鶴政孝が造ったかつてのスーパーニッカとはほぼ別物となっています
スーパーニッカが発売された当時のニッカウヰスキーは余市蒸留所しか稼働しておらず、また現在のニッカの隠れた強みであるカフェ式連続式蒸留器も導入されていませんでした
しかし、宮城峡蒸留所の稼働やグレーンウイスキーの量産体制が整ったことで、様々な原酒のブレンドが可能になった現在のニッカ
最新版のボトルには、余市のスモーキーで力強い味わいの原酒、宮城峡のやわらかく華やかな原酒、またカフェスチルで造られたカフェグレーンなどがバランスよくブレンドされ、万人受けする味わいとなっています
かつてのような尖った特徴はないけれど、ニッカの様々な原酒の強みがうまく取り入れられています。1本2000円ほどで、かなりお買い得なのでニッカ好きにはおすすめ!
スーパーニッカを実際に飲んでみたレビューはこちら!
【超高評価】スーパーニッカをレビュー!【これはうまい!】 - 最愛の彼女に浮気された男の努力記
初号スーパーニッカ復刻版
2015年に数量限定で発売された、1962年当時のボトルを再現したものがこれ!
余市蒸留所の原酒のみを使用して造られたかつての味わいが見事に再現されており、現行ボトルに比べてスモーキーな香りとキャラメルのような甘みが強くなっています
また、ボトルも当時の形を限りなく再現していますが、さすがに手作りではなく量産品です
竹鶴政孝が自身の夢を実現するために生み出したかつてのスーパーニッカ、もしもう一度復刻版がリリースされることがあれば、ぜひ買っておきたいです!
スーパーニッカ プレミアム
1971年以降、度重なるリニューアルを経て、量産化が可能になったスーパーニッカ
中身の味わいも大きく変わっていったことへの対策として生み出されたのがこれ!
リニューアルでどんどん廉価になるノーマルボトルに対して、従来の高級なイメージを保持したボトルとして造られたスーパーニッカ プレミアム
2006年ごろに、後継のスーパーニッカ 15年へバトンタッチし、終売となりました
スーパーニッカ 15年
スーパーニッカ プレミアムの後継として、スーパーニッカの上位モデルの役割を担ったスーパーニッカ 15年
良くも悪くも、かつてのスーパーニッカと現行スーパーニッカの中間のような特徴で、
かつてのボトルで味わえた余市蒸留所原酒のスモーキーさと、現行ボトルのグレーン原酒の特徴ある甘みがうまくまとめられています
まとめ
竹鶴政孝の夢が詰まったボトルであるスーパーニッカ
現在は、1本2000円程度のボトルになってしまいましたが、ちょっとリッチな気分で飲むウイスキーとしては十分に通用するミドルクラスの役割を担っています
価格的にはブラックニッカのワンランク上という、割とお手頃なポジションなので、ちょっと良いニッカのウイスキー飲みたいと思っている人にはおすすめですよ!
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だいたい1本3行ぐらいで簡単にまとめてみたのでレビュー読むの面倒な人におすすめ!