ぴろのウイスキーブログ

ウイスキーの記録とおすすめウイスキー紹介

アベラワーの味や種類/10年・12年・16年・18年・アブーナの違いを解説

まるでブランデーのように濃厚な甘い味わいで、ブランデー大国・フランスで一番売れているウイスキーといったらアベラワー

シェリーの華やかな香りや甘いウイスキーが好きな人の間では知らない人はいない!と言えるぐらい、芳醇で甘い味わいには定評があります

ということで今回は、そんなアベラワーの特徴、歴史、ラインナップごとの違いを初心者の人にも一から分かるように解説してみようと思います!

 

 

アベラワーの味や種類/10年・12年・16年・18年・アブーナの違いを解説

 

f:id:saikootoko:20200708184259j:plain

引用元:https://www.amazon.co.jp/

 

アベラワーとは

 

f:id:saikootoko:20200708183840j:plain

引用元:https://whiskyledger.com/2014/02/14/aberlour-16-year-old-double-cask/

 

スコットランドのスペイサイド地方で造られるウイスキーであるアベラワー

まるでブランデーのように甘い味わいが特徴で、現在フランスで最も売れているウイスキー銘柄です

特に樽の熟成には定評があり、シェリー樽とバーボン樽を完璧なバランスで熟成させる「ダブルカスクマチュアレーション」という技術に長けています

ちなみに日本での知名度はあまり高くありませんが、グレンリベット、グレンフィディックマッカラングレンモーレンジィ、ラフロイグに続く、実は販売数トップ10に入る大規模蒸留所でもあります

やっぱりフランスで一番売れているウイスキーは強い! 

 

アベラワーの製造場所

 

f:id:saikootoko:20200708183710j:plain

引用元:http://auld-river.com/products/detail.php?product_id=1676

 

スペイサイド地方のほぼど真ん中に位置するアベラワー蒸留所

スペイサイド地方には、スコットランドの全蒸留所の半数近くが密集しており、世界的に有名なグレンリベットやマッカランもこの地区に蒸留所があります

アベラワーとは、ゲール語で“せせらぐ小川の川口”を意味し、ウイスキー造りには理想的な、冷涼な気候で、良質な湧き水が豊富にある風光明媚な場所に蒸留所が建っています

 

アベラワーの製法

 

f:id:saikootoko:20200708183936j:plain

引用元:https://morayspeyside.com/listings/aberlour-distillery/

 

アベラワーの仕込み水はかつて、地元氏族が大主教から洗礼を受けた伝説のある、歴史的にも有名な聖水を使用していましたが、残念ながら水源が枯れてしまい、現在は蒸留所近くのベンリネス山脈の泉の水を利用しています

ちなみに、この聖水の井戸、1986年にアベラワーが国際ワイン&スピリッツ大会で金賞を受賞した年に、一時的に水が湧き出ましたが、現在は再び枯れてしまっています・・・

またアベラワーは、上手に樽を使い分けてウイスキーに風味づけを行う、熟成に長けた蒸留所です

アベラワーウイスキーの特徴である、まるでブランデーのような甘みは、シェリー樽とバーボン樽の2種類を絶妙に使い分ける、「ダブルカスクマチュアレーション」という技術で育まれています

 

アベラワーの歴史

 

f:id:saikootoko:20200708184020j:plain

引用元:https://www.distillerytours.scot/age_verification

 

1826年に創業したアベラワー蒸留所

ちなみに名建築と称賛される現在の蒸留所は、1879年に大火災で蒸留所を失った時に再建した、2代目蒸留所にあたります

また、現在のウイスキーボトルには、2代目蒸留所が完成した「1879」の西暦が刻まれています

アベラワーの独特な丸っこいウイスキーボトルは、創業当時、アベラワー村の人々が蒸留所に薬瓶を持参し、樽からウイスキーを持ち帰っていたという逸話を元にデザインされています

 

アベラワーの種類

 

f:id:saikootoko:20200708183551j:plain

引用元:http://www.pernod-ricard-japan.com/brands/domestic/whisky/aberlour/

 

アベラワー12年 ダブル・カスク マチュアード

 

 

アベラワーの顔とも言える、最もお手頃なボトルがこれ!

樽の専門家により厳選された、南スペインでワイン作りに使用されたワイン樽の香りを、これでもか!というほど味わえます

またシェリーの華やかな甘酸っぱさを中心に、奥にはビターチョコのような苦み、シナモンやジンジャーのようなスパイシーさも隠れており、かなり複雑で面白い味です

甘いだけじゃなく、後味にどこかスパイシーさがあるというギャップを見事に表現しており、ウイスキー好きならきっと面白いと思うこと間違いなし!

 

アベラワー16年 ダブル・カスク マチュアード

 

 

12年と製法はほぼ同じですが、熟成年数が4年増えて、お酒特有のとげとげしさが弱まり、また香りも一段と深くなっています

特に、シェリー樽の香りがさらに強化されており、12年でも感じられたスパイシーさがさらに楽しめます

12年に比べて、2000円ほど高いだけなので、ちょっと予算に余裕がある人は16年も選択肢に入れてみて良いかも!

 

アベラワー18年 ダブル・カスク マチュアード

 

 

アベラワーの渾身のボトルがこれ!ラインナップの中で最長の熟成年数です

シェリー樽とバーボン樽の比率を変えているのか、12年と16年で感じられたシェリーのスパイシーさは弱まり、甘みがぐっと増しています

樽の木の香り、バニラや蜂蜜のようなバーボン樽特有の甘みが強く、また熟した桃やオレンジのような芳醇なフルーツの風味も感じられます

バニラのようなクリーミーさ、フルーツのフレッシュな味わい、蜂蜜の甘さが絶妙に組み合わさった、まるでお菓子みたいなウイスキー

フランス人がアベラワー大好きなのが分かる、ちょっと変わったデザートウイスキーです

 

アベラワー アブーナ

 

 

アベラワーの隠れたもう一つの顔であるのがアブーナ

スパニッシュオークのオロロソ・シェリー樽の原酒のみを使用し、樽から取り出した原酒を水で薄めず、そのままボトリングしています(カスクストレングス)

ということで、加水調整していないので、ボトルによってアルコール度数はまちまち。だいたい60%前後ぐらいになっているはず!

味わいはシェリー樽由来のとても華やかな香りが特徴!

オレンジ、チェリー、ドライフルーツといったフルーツの味わいに、ビターチョコ、ジンジャー、様々なスパイスの味わいが後味に続きます

19世紀のアベラワー創業当時と同じ製法で造られたアベラワー アブーナ

なかなか、シェリー樽1種類のカスクストレングスって珍しいので、ウイスキーファンから根強い人気があるボトルです!

 

アベラワー アブーナを実際に飲んでみたレビューはこちら!

www.piroriro.com

 

 

まとめ

 

シェリーの華やかな香りとブランデーのような甘さが特徴のアベラワー

間違いなく他のウイスキーとは似ていない、独特の特徴を持つとても芳醇なウイスキーです

そしてシェリー樽熟成のウイスキーって、結構値段が高いものも多いですが、アベラワーは意外とお買い得! 

アベラワー 12年はたった1本4000円と、12年ものウイスキーの中でも比較的安価に買えるので、かなりおすすめ!

甘くどっしりとした飲み味は、食後の後のひとときや、寝る前の一杯には最高のウイスキーですよ!