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ベンネヴィスの味や種類/ネヴィスデュー・10年・12年の違いを解説

イギリスで最も高い山であるベンネヴィス山のふもとに建つベンネヴィス蒸留所

1825年創業と、スコットランドでも屈指の歴史ある蒸留所で、実は日本のニッカウヰスキーが所有している蒸留所でもあります

ということで今回は、そんなベンネヴィスの特徴、歴史、ラインナップごとの違いを初心者の人にも一から分かるように解説してみようと思います!

 

 

ベンネヴィスの味や種類/ネヴィスデュー・10年・12年の違いを解説

 

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引用元:https://www.pinterest.jp/pin/383509724518752137/

 

ベンネヴィスとは?

 

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引用元:https://mapio.net/pic/p-101882646/

 

スコットランドのハイランド地方で造られているベンネヴィス

1825年創業と、スコットランドの中でもかなりの老舗蒸留所で、実は日本のニッカウヰスキーが所有する蒸留所でもあります

フルーティな味わいと、どこか人工的な香水のようなアロマティックな香りが特徴で、ニッカウヰスキー傘下に入り、ますます味が洗練されている注目の蒸留所です

 

ベンネヴィスの歴史

 

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引用元:https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g186545-d275744-Reviews-Ben_Nevis_Distillery-Fort_William_Lochaber_Scottish_Highlands_Scotland.html

 

1825年にハイランド地方で創業したベンネヴィス蒸留所

ジョン・マクドナルドという、西スコットランド王国の領主の子孫で、身長が193cmもあったという、何かと色々な逸話が残る人物により作られています

以降は様々な人物の手を渡り歩きますが、1955年にジョセフ・ホッブスという人物が所有し、ベンネヴィス蒸留所第二の繁栄期を迎えます

このジョセフ・ホッブスもなかなか面白い経歴の人で、海軍軍人退役後、禁酒法が施行されているアメリカに酒を密輸して大儲け。その大儲けしたお金を、カナダ・トロントの証券会社で運用していたという、なかなかに商才に優れた人物

ジョセフの投資により、ベンネヴィス蒸留所は、一度に大量に生産できる蒸留器である「連続式蒸留器」を導入し、またとうもろこしを原料としてグレーンウイスキーの製造も始めます

また、ウイスキー製造業でも大儲けしたジョセフ、このベンネヴィス蒸留所の他にも5個以上の蒸留所を所有し、有名どころだと、アイラ島のブルックラディ蒸留所も一時期ジョセフが所有していました

 

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しかし、ジョセフの死後のベンネヴィス蒸留所は不遇の時代に突入し、業績不振により1986年にはついに操業を停止してしまうことになります

そんな操業停止から3年後の1989年、日本のニッカウヰスキーにより買収され、翌年1990年からベンネヴィス蒸留所は再び動き出します

ちなみに、当時バブル景気の日本企業がイギリスの伝統ある蒸留所を買収するなんて反感を買うんじゃないか?と心配したニッカ側が、別会社を通して買収しようとしましたが、すぐにニッカウヰスキーによる買収だとバレてしまったという逸話があります

また、ニッカウヰスキーによる買収はむしろ歓迎され、現在もニッカウヰスキー傘下の蒸留所として操業を続けています

 

ベンネヴィスの製法

 

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引用元:https://www.pinterest.at/pin/392587292497059146/

 

ベンネヴィス蒸留所は、イギリスで最も標高の高い山である、標高1343メートルのベンネヴィス山のふもとに位置します 

蒸留所の名前は、文字通りこのベンネヴィス山から名付けられています

清らかな雪解け水が豊富に湧き出る蒸留所付近はウイスキー造りには最適の地

山頂近くの雪解け水が溜まる湖を起点とし、山肌を流れ落ちる急流から得られる水をウイスキーの仕込み水として使用しています

またニッカウヰスキー買収後の1990年以降は、ニッカの技術も惜しみなく注がれ、スコットランドの伝統蒸留所と日本の緻密なウイスキー造りのタッグで安定した高品質なウイスキーを造っています

 

ベンネヴィスの種類

 

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引用元:https://cask88.com/2017/04/03/third-day-christmas-true-love-sent-bottle-ben-nevis/

 

ベンネヴィス 10年

 

 

ベンネヴィスのラインナップの中心的ボトル

味わいは甘さと酸味が中心で、ドライフルーツ、バニラ、チョコレート、煙などこの価格帯にしてはとても複雑な香りと味わいが楽しめます

柔らかく優しい味わい特徴で、どこかお花のようなアロマティックな香りも漂い上品な印象もあるベンネヴィス

1本4000円程度ながら、ウイスキー好きにもファンが多い、レベルの高いボトルです

 

ネヴィス デュー

 

 

ベンネヴィス蒸留所で造られたウイスキーを中心にブレンドされたブレンデッドウイスキーであるネヴィス デュー

シングルモルトウイスキーの「ベンネヴィス」と間違えないように、こっちは「ネヴィス」という名前で販売されています

ブレンデッドウイスキーらしく、誰にでも飲みやすいライトで軽い飲み口が特徴のネヴィス デュー

ほのかに蜂蜜やカカオのような香ばしさと甘さを楽しむことができます

1本1800円程度とかなり安いので、試しに買ってみてるのもおすすめ!

ストレートで飲むにはちょっと個性が薄くて面白くないけど、ハイボールや水割り、また毎日の晩酌に気兼ねなく飲むウイスキーとしてはとてもコスパに優れた1本です

 

ネヴィス デュー 12年

 

 

12年以上熟成した原酒をブレンドしたのがネヴィス デュー 12年

どこか薄い印象があったネヴィス デューに対して、バニラやレーズンのような芳醇な甘みが加わっっており、またクッキーのような香ばしさとスモーキーな風味を楽しむことができます

12年の熟成を経ているので、アルコールの刺激もかなりマイルドになっており、ストレートでもロックでも飲みやすいです!

予算に余裕のある人や、ストレートやロックでしかウイスキー飲まない人はネヴィス デュー 12年を買うのがおすすめ!

 

まとめ

 

ということで、日本の超有名ウイスキー会社・ニッカウヰスキースコットランドに所有するベンネヴィス蒸留所

ニッカウヰスキー買収により本格的に稼働してきた蒸留所なので、長期熟成のボトルはほとんど流通していませんが、ニッカの技術により現在高品質な長期熟成ボトルを製造しているはず!

いつか、日本の技術とスコットランドの歴史が組み合わさった銘酒が生まれるであろう注目の蒸留所です!