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トマーティンの味や種類/12年・14年・18年・レガシー・クボカンの違いを解説

日本企業が初めて所有した、海外のウイスキー蒸留所をみなさんは知っていますか?

それが今回紹介するトマーティン蒸留所 

甘さが味わいの中心のウイスキーで、あまり日本では知られていませんが、初心者にも飲みやすいウイスキーと評判です

また、日本企業が初めて買収した、日本のウイスキー史にも、きっといつまでも残るであろう、馴染み深い蒸留所で、ウイスキーファンなら一度飲んでおきたい銘柄の一つでもあります

ということで今回は、そんなトマーティンの特徴、歴史、ラインナップごとの違いを初心者の人にも一から分かるように解説してみようと思います!

 

トマーティンの味や種類/12年・14年・18年・レガシー・クボカンの違いを解説

 

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引用元:http://www.tomatin.com/blog/2019/9/6/tomatin-distillery-release-two-new-limited-expressions

 

トマーティンとは?

 

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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=_vafS2RBIgE

 

スコットランドのハイランド地方で造られるウイスキーであるトマーティン。ロンドンから北西に900kmぐらいの場所に位置する、人工500人ほどの小さな村、トマーティン村で造られています

トマーティンとは、「ねずの木の丘」という意味で、丘という名前通り、標高315mの場所に建てられている蒸留所は、世界一標高の高い場所にある蒸留所のひとつです。ちなみにご近所には、ネッシーで有名なネス湖があります

実はかつてのオーナーは日本の焼酎メーカーである宝酒造で、1986年に宝酒造が買収したトマーティンは、日本の企業が初めてオーナーとなった海外蒸留所でもあります。なんとなく、サントリーやニッカの方が先というイメージも多いと思いますが、ニッカは、1989年にベン・ネヴィス蒸留所を所有したのが、日本で二番目となります

元々、ブレンデッドウイスキー用の原酒を造ることを得意とする蒸留所で、一般にはほとんど流通していませんでしたが、2004年からシングルモルトウイスキーもリリースしており、日本の酒屋でもよく見かけるウイスキーとなっています

 

トマーティン蒸留所について

 

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引用元:https://www.whisky.com/whisky-database/distilleries/details/tomatin.html

 

1897年に創業したトマーティン蒸留所

しかし、これは公式発表の建前で、実は1750年代頃には、水が豊富で、交通の要所であったトマーティン村ではウイスキー造りが行われていたと言われています。ただ、1824年まで、イギリスにおいて、ウイスキーは密造酒扱いであったので、どの蒸留所も、創業は1824年以降と発表しているのが一般的です。トマーティン蒸留所も、1897年に地元の実業家たちの投資を募って、蒸留所の設備が一式建てられた年を創業年度としています

ちなみに、創業当初は運営がうまくいかず、たった9年後の1906年に、3年間の蒸留所閉鎖の危機を経験しています

その後のトマーティンは、とにかく勢いがあり、1974年にはスコットランド最大のモルトウイスキー蒸留所になりました。当時は、現在のグレンリベット、グレンフィディックマッカランに匹敵するほどの生産量を誇っていた、超大規模蒸留所でした

しかし、1986年の宝酒造買収以降は、量よりも質に重きを置いた生産体制に移行し、年間生産量は、かつての1,250万Lから、2万Lまで減らしています

また当時の超大規模蒸留所時代の設備は、処分せずに、蒸留所内でウイスキー造りの工程を学べる施設として展示されており、巨大なマッシュタン(糖化槽)の内部を観察できるなど、世界中でもトマーティン蒸留所でしか体験できない見学施設ということで人気があります

この見学施設見るために、筆者も人生で一度は、トマーティン蒸留所に行ってみたいです!

 

トマーティンの製法

 

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引用元:https://www.pinterest.at/pin/641059328186484391/

 

ウイスキー造りには最も重要と言える水。トマーティン蒸留所は、トマーティン村を流れる小川の水を使用しています。花崗岩の間をゆっくりと時間をかけて湧き出た水は、程よい軟水でトマーティンの柔らかく繊細な味わいを育んでいます

またトマーティンのウイスキー造りのもう一つの特徴が、蒸留所敷地内に従業員の住居があること

現在30近くの住居があり、ここには何世代にも渡って、トマーティンのウイスキー造りに関わる職人たちが住んでいます

蒸留所内では、従業員の子供たちが育ち、いずれはその子供たちが家族から仕事を受け継ぐという、現代では珍しい職人方式が行われています

 

トマーティンの種類

 

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引用元:http://www.tomatin.com/blog/2019/4/12/tomatin-strikes-gold-celebrating-over-a-decade-of-wins

 

トマーティン レガシー

 

 

トマーティンのノンエイジのボトルで、最もお手頃なのがトマーティン レガシー。1本3000円ほどで買えます

トマーティンのウイスキーでは一般的な、バーボン樽に加えて、アメリカンオークの新樽を使った原酒も使用しています

12年よりもさらに甘みが強いのが特徴で、ウエハースのような香ばしさがあり、初心者の人にも飲みやすいウイスキーです

またカラメルのようなどこか香ばしさのある甘い香りと、レーズンのような華やかな酸味ある香りが絶妙に組み合わさっており、上品なお菓子のような甘さを楽しめます

1本3000円ほどと割とお手頃なので、トマーティンを初めて買う人におすすめです

 

トマーティン 12年

 

 

トマーティンのラインナップで中心に位置するのがトマーティン 12年

ちょっと独特な熟成方法を採用しており、まずバーボン樽で熟成を行い、その後、アメリカンオークの新樽に入れ替えて、最後にシェリー樽で香り付けを行うという、3つの樽を使い分けた熟成を行っています

トマーティンのラインナップに共通する、甘みの強い味わいで、シェリー樽熟成によるレーズンのような華やかな香りも感じられる上品なウイスキーです

シェリー由来のフルーティさと、バーボン樽熟成によるウエハースやバニラのような香ばしさと甘さをバランスよく楽しめる、飲みやすいウイスキーです

 

トマーティン 14年 ポートカスク

 

 

バーボン樽で13年間熟成を行った後に、1年間ポートワイン樽で熟成させたのがトマーティン 14年 ポートカスク

ポートワイン樽由来の、甘みある味わいと果実の爽やかさが、トマーティンのお菓子のような甘さに加わっています

味わいはトマーティンに共通する、ウエハースやバニラのような香ばしさと甘さを中心に、ポートワイン樽から生まれる、桃、マンゴーのような熟したフルーツの味わいも感じられます

後味は、ちょっぴり苦みのあるスパイシーな味わいで、甘さが中心のトマーティンの中では、かなり複雑な味わいの1本です

 

トマーティン 18年

 

 

熟成に使用したバーボン樽を一度解体し、少し容量の大きい樽へと再び組み立てたホッグスヘッド樽で16年以上熟成。ボトリング前の最後の2年間を、オロロソ・シェリー樽で仕上げた、18年以上の原酒が使われているのが、トマーティン 18年

バニラやウエハースのような甘みの印象が強いトマーティンですが、リンゴ、シナモン、メイプルシロップを想わせる優美な味わいが強く、トマーティンの中でも屈指の上品さを誇る1本です

また後味には、ビターチョコやシトラスのような味わいも感じられ、とにかく複雑な味わい

1本2万円ぐらいと高いですが、甘いウイスキーが好きな人にはぜひ一度飲んで欲しい、最高峰!

 

トマーティン ク・ボカン

 

 

もともと、ピートの煙くさい香りが弱いのがトマーティンの特徴ですが、ピートの香りを強めに造った異例のラインナップが、ク・ボカン

ク・ボカンとは、トマーティン蒸留所があるインヴァネス地方を守る魔犬の名前で、魔犬が走り去った場所を掘り起こしたら、極上のピートが採掘されたという伝説があります

味わいは簡単に言うと、12年の甘い味わいに、ピート由来の煙くささが少し加わっており、ウイスキーらしい飲みごたえのある味わいになっています

ただ甘ったるいだけじゃ物足りない人にはおすすめ!

 

トマーティン カスクストレングス

 

 

ファーストフィルのバーボン樽、ファーストフィルのオロロソ・シェリー樽のみを熟成に使用し、加水も冷却ろ過も行わずにボトリングされたのがカスクストレングス

水を加えてアルコール濃度を調整していないので、アルコール度数57.5%ととても強いです

やわらかな味わいが印象深いトマーティンですが、このカスクストレングスは、アルコールの重みをしっかりと感じられます。また他のラインナップで感じられる、バニラやウエハースのようなやさしい甘みも、焼き立てのトーストのような香ばしさ、カラメルのような甘さに強化されており、しっかりとした味わいを楽しめます

トマーティンの味わいをしっかりと味わいたい、トマーティンファンの人にはおすすめ!

 

まとめ

 

ということで、 トマーティンの紹介でした!

甘い味わいと飲みやすさに定評のあるトマーティン

筆者がよくウイスキーを買っている信濃屋では、キャンペーンをやっていることも多く、結構安く買えます!

 

また、スコットランドの蒸留所でも随一と言える見学設備を持っているトマーティン蒸留所

かつて使われていた巨大な糖化槽の中を覗き込めたり、他のウイスキー蒸留所ではできない面白い体験ができるようなので、筆者が一度行ってみたい蒸留所のひとつでもあります!

 

てことで、あまり日本では知名度が高くないトマーティンだけど、知っておくときっと面白いウイスキー銘柄の一つですよ!

 

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だいたい1本3行ぐらいで簡単にまとめてみたのでレビュー読むの面倒な人におすすめ!