自動車の開発、メーカーたるもの「全ての車種を全力で作っています!」
とは言えない・・・。
どうしても力を入れて開発される車と、妥協にまみれた車が存在しているのが実情。
しかし、メーカーは「本気で作った車はこれで、妥協にまみれた車はこれです」なんて絶対に言わない。
「どの車も良い車です!」と言って、お客様方を惑わせるのが常套手段。
ということで、日本国内のどこかのメーカーで車の開発に携わっている自分が、
各メーカー、これはやたら本気で作っている!という車を独断で選んでみた。
【2019】車好き開発社員が選ぶ!国産メーカーが本気で作っているおすすめ車
ホンダ N-BOX
138万円〜208万円
間違いなくいま日本で一番売れている車、N-BOX。
世間の人気に後押しされなんとなく売れているという訳ではなく、
安全性能、静寂性、走行性能どれを取ってもホンダが本気で力を入れて作っている!
ということで軽自動車を買うならN-BOX以外選択肢ないのでは?と言い切れるほどよくできた車です。
「軽自動車なんか・・・。」と思っているちょっと車好きのお父さん!
僕もそう思っていたけど、N-BOXの走行性能はマジですごいです。
あのホンダの軽ミッドシップスポーツカーS660と同じエンジンが搭載されており、
軽自動車とは思えないほどの加速!超楽しい!!
そして軽自動車にありがちな高速道路でのものすごい騒音、全然しない!!
よく回って楽しいエンジンながら、車内の静寂性も十分に確保されています。
さらに驚くのが燃費!街乗りでだいたい18km/Lぐらいをキープしています。
N-BOXの特徴的な真四角な見た目のおかげで、室内も軽自動車とは思えないほど広い。
100km/h超を出すと横風の影響でちょっと危険ですが、それ以下の速度であればかなり快適に走れます。
ライバル車であるダイハツ タントより10万円ほど高いけど、
自動ブレーキやクルーズコントロールの性能で圧倒的に差を付けているので、
コスパとしては最高と言って良い車だと思います!
スズキ クロスビー
176万円〜214万円
日本で一番安いSUVが欲しいならこれ!
どこかのメーカーが作っているガワだけなんちゃってSUVとは違い、
この価格帯ながら悪路もガンガン走れます。
あ!ちなみにクロスビーは2WDと4WDの2種類が用意されてますが、
クロスビー買うなら4WD一択です。
この車は本格SUVというメリットがあってこその車!もし2WD買うなら、クロスビー買うメリットはあまり無いかも・・・。
そんな4WDのクロスビー、雪道やアイスバーンでタイヤの空転を抑えるスノーモードが搭載されており、
スイッチ一つで雪道の坂道発進なども車がアシストしてくれます。
スノボに行くならクロスビー!
そしてN-BOX同様、極力四角に近づけた形をしているため、車内がびっくりするぐらい広い。
N-BOXの開発コンセプトがとにかく優れた日常の道具を目指しているのに対して、
クロスビーのポップで可愛らしいデザインはまさに若者向け!
ただ唯一のネックが、排気量わずか1Lなのにパワーとトルクは1.5L相当の出力あるエンジン載せたりと、
何かとスズキが本気出しすぎて作っている車なので、
コンパクトカーのサイズながら176万円〜という強気の価格設定が残念。
N-BOXがただただ実用性を突き詰めて、最高の使い勝手を求めた車だとしたら、
クロスビーは実用性を十分に求めつつ、走る楽しさや見た目の美しさなどの遊び心があちこちに散りばめられた車だと思います!
車は実用性が一番だけど、ちょっとは遊び心あって面白い車が欲しいと思う人には間違いなく買い!だと思います。
日産 ノートe-POWER
190〜260万円
エンジンが載っているのにエンジンで走らない最新技術搭載!そして日本で一番安いEV!
ノートe-POWERには1.2Lのガソリンエンジンが搭載されています。しかしこれは充電用エンジンで、実際に車を走らせているのはモーターという日産の独自技術「e-POWER」
そしてこの車の何より面白いのが、「ワンペダル走行」
一言で言うと、ブレーキ一切使わず、アクセルペダルのみで走行できます。電気自動車の回生ブレーキシステムのおかげでアクセルペダルを離すだけで、ブレーキがかかります。
メーカーはブレーキの踏み替え回数が7割減少と発表してますが、僕が実際に乗った時は街乗りでも100%ブレーキ使わなくて大丈夫!
自動車メーカーの発表って常に安全マージンを取った発表ばかりだから、7割と言ったらほぼ100%と考えてオッケー(笑)
そして何より200万円を切る価格でEVを世に送り出した日産の企業努力はすごい!
燃費・性能全てにおいてライバルのトヨタ アクアを潰しにかかっており、日産の本気が伺える一台です。
ちなみにアクアはトヨタで一番売れている車なので、
この記事のトヨタ欄に入れようと思ったけど、
ノートe-POWERに全てにおいて負けている車を入れるのもどうかと思ったので、除外されました。
マツダ CX-8
294〜454万円
ミニバンに乗りたくないお父さんたちの唯一の救世主
「ミニバンには絶対に乗りたくない!」
こう思う世のお父さんは意外と多いのではないでしょうか?
僕もどんなに大好きな奥さんに頼まれてもミニバンには一生乗りません!
そしてそんな旧時代の遺物のようなお父さんたちに朗報!
というのも一般に簡易シートと言われているSUVの3列目シートだけど、
CX-8の3列目はマジで居住性を真剣に考えて作られている!
だってCX-8の開発コンセプトは、「3列シートミニバンの対抗馬」なのだから当然っちゃ当然。
「うちのかっこいいブランドイメージにミニバンは似合わないから撤退するねー!」というマツダのニッチな企業戦略と堅物の世のお父さん方の利害が見事に一致した結果生み出されたのがこの車!
車界のおじさんキラーとはまさにCX-8のためにあるような言葉!
ということで乗り心地や走行性能も国産車の中では上位クラス。マツダが作ったとは思えない乗り心地。
ミニバンには無いかっこよさ・3列シート・マツダらしい走る楽しさ全てを両立できる間違いなく国内では右に出るものはいない車です!
トヨタ カムリ
329万円〜419万円
プリウスから乗り換えるなら筆頭候補!実は隠れた良い車!
トヨタは正直迷いました。というのも良い車ばっかり作ってる!!
一番売れ筋のアクアは確かに良い車だけどノートe-POWERに色々と負けてるので却下。
クラウンは断トツでトヨタが力を入れている車で、トヨタどころか現行の国産車の中でも最も良い車なのでぜひおすすめしたい!
けど庶民的じゃないし、「トヨタで一番良い車はクラウンです!(ドヤッ)」ってのもひねりが無くて面白くない。
次点でプリウスもかなり作り込まれていてコスパは最高なんだけど、フロントマスクのデザインがネットで炎上するほど市場から不人気なので却下。
余談ですが、ユーザーの文句でマイナーチェンジに追い込まれるって業界でもなかなか見ない事態。ある意味歴史に残る車。ま。それだけプリウスに対する日本人の関心は強い!とトヨタにはプラスに取ってもらいたいです。
で、どうしようかと思ってたら、
そうだ!この車があった!
プリウスとクラウンの中間セダン!カムリ!
外車セダンはよく売れるのに、国産セダンが全くと言って良いほど売れない日本市場に、
トヨタがブッ込んできたのがこのカムリ!
見た目、中身、全てにおいてトヨタが本気出してきたと言える一台。
特筆して良いところもないけど、特に悪いところもない、まさにトヨタが本気出すとこういう車が出来るという典型例。
アメリカでは大人気で、2002年以降15年連続乗用車販売台数1位を記録している!セダンじゃないです!よく見てください!!乗用車ですよ乗用車!日本では不人気のカムリだけどこの記録はすごい!
ダイハツ・タント
124〜171万円
本当は軽スーパーハイトワゴンというジャンルを作り出したタントなのに、後から出てきたホンダ・N-BOXにずーーーーーっと負けていた。
ということでライバルN-BOXを徹底的に研究し、トヨタグループの力総動員でホンダ・N-BOXを潰しにかかってきたのが2019年7月に発売された新型タントです。
最小回転半径:4.4m(タント)VS 4.5m(N-BOX)
サイズ:3395×1475×1755 (タント)VS 3395×1475×1790(N-BOX)
ホイールベース:2460mm(タント) VS 2520mm(N-BOX)
と大きさはまるでN-BOXのコピーか?と思うぐらいほとんど同じ。
性能に直結する最小回転半径とホイールベースだけ微妙に良い数値にしているというのがいやらしくて面白い。
そしてタント最大の必殺技「ミラクルオープンドア!」
これ何かと言うと、前席と後席の間にピラーがないので、乗り降りがとってもしやすいというタント最大の武器。
またピラーなしでもそれなりの強度と安全性を保つために、普通の鋼板の3倍以上の強度を持つ超高張力ハイテン材という鉄を使っており、おかげで軽ハイトワゴンとは思えないほどキビキビ走る安定性を手に入れました。
ということで、徹底的にホンダ・N-BOXを研究して後出しでやってきたダイハツ・タント。
こりゃ間違いなく買い!と言おうかと思ったら、そうでもない。
N-BOXの性能を全てにおいて少しだけ上回っているけど、さすがトヨタグループのダイハツ、利益分はがっつり確保しており、多分部品の品質などで手を抜いて利益率を上げてます。
一方、ホンダ・N-BOXはホンダ自ら超薄利多売方式と呼ぶほど、原価ギリギリを攻めるクルマづくりをしており、内装の質感やシートの手触りなど、確かに高級感があります。
ということで、良くも悪くもトヨタグループの車らしいタント、良い車ではあるけど、しばらくN-BOXの牙城は崩せなそうです。
スバル・インプレッサG4
194〜261万円
手頃なセダン買うなら一番におすすめしたい車。
え?こんな車がこの値段で買えて良いの??と言えるぐらいよくできた車です。
というのもインプレッサG4の開発担当が「セダンが販売比率の1割以下となるなら、もう次からセダンは作りません」と言っているぐらいなので、セダンは力入れたどころか背水の陣で開発した模様。
ということで、ライバルのトヨタ・カローラ アクシオ、日産・シルフィと比べると圧倒的なかっこよさ。
とてもじゃないが200万円以下の車には見えない!
またスバルの新開発プラットフォームである「スバルグローバルプラットフォーム(SGP)」が初めて採用されたモデルでもあり、やっぱりスバルの全社を上げての気合いが感じられます。
また2019年秋のマイナーチェンジで、スバル車ご自慢のアイサイトが最新の「アイサイト ツーリングアシスト」が搭載されることになりました。
これで、スバル車は一番安いモデルが一番性能良いの!?と言えるぐらい至れり尽くせりです。
一部「見た目が地味すぎる!」との声も上がっているようですが、スタイリングのために何かを犠牲にするようなどこかのメーカーみたいなことは絶対にやらないスバル。
実用性と性能を徹底的に煮詰めていった結果、この見た目になったんです!
てなわけで、実用性や性能などのスペック面では同価格帯の中で頭一つ抜けている車がこのインプレッサG4。
唯一見た目が批判されているけど、カローラ アクシオを見てください!
あれに比べたら十分かっこいいじゃないですか?
街中で発している姿、全くと言って良いほど見ないけど、乗ればこの車の良さが分かるので、ぜひディーラーで試乗してほしいです!
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