世界で一番最初に車を作り出した国ドイツ。なんとなく高そう・・。なんてイメージはあるけど、それぞれのメーカーの特徴って実はあまり知らない人も多いのではないでしょうか?ということで、今日はドイツ車メーカーのイメージと特徴を独断を交えて書いてみました!これを読めば、あなたもドイツ車に対する知識は完璧!!
とある国産メーカー社員が語るドイツ車メーカーのイメージと特徴まとめ
メルセデスベンツ
日本ではいわゆる「ベンツ」世界的には「メルセデス」と呼ぶ人の方が圧倒的に多く、ベンツだと通用しない。ということで、グローバルな車好きならメルセデスと呼ぶべき。日本でこう呼んでるとただのイタい奴だと思われるけど・・・。ちなみに本物のグローバル車好きは「メルツェデス」と発音しており、ここまでくると完全にアホだと思われる。「メルセデスベンツという名前は、会社のブランド名が「メルセデス」、会社の創業者の名前が「ベンツ」に由来する。日本的に分かりやすく言うと、「豊田さんという人がレクサスという自動車ブランドを作った」ってこと。なんで日本だけ「ベンツ」という独特の呼び方が広まったかというと、一番最初にメルセデスベンツを輸入した日本人が、トヨタ、ホンダ、スズキと日本の自動車メーカーの名前の由来に創業者の名字が多いので、親しみを持ってもらうためにそれに合わせたという、なんともくだらない理由。ちなみにベンツの創業者であるカール・ベンツ、三輪車に乗った写真が高校の世界史の教科書にも掲載されており、半ば歴史の偉人化されているすごい人。
日本人のベンツに対するイメージは「The 高い車」であるが、一番安い車種のAクラスは328万円から購入可能であり、平均的日本車と変わらない価格だ。ちなみにラインナップはアルファベットで表されており、基本的にA→C→E→Sという感じで、アルファベットが降順になっていくほど高いと思っていれば間違いない。
とある自動車雑誌が毎年国道246号・青山通りで行なっている車種別通行数ランキングでは、Eクラスが1位の常連になっており、日本の上級国民のベンツ大好きぶりが伺える。余談だが、国内にこれだけ流通しているおかげで、新車価格700〜1000万円のEクラスは中古で50万円程度で買えることもザラであり、やっぱりベンツ=金持ちという図式は日本では誤りだ。
歴史は古く、世界最古の自動車メーカーであり、世界初の自動車を発明した会社。第二次世界大戦では、ヒトラーに協力したことで戦後多額の賠償金を負担させられたという、良くも悪くも色々な形で歴史の教科書に関わるほどの会社。
なんだかんだ世界で一番古い自動車会社ということもあり、安全性も最新技術も常に世界トップクラスのリードを取っており、とりあえず買っておけば間違いない車。
誰もが知るあのベンツの3本のエンブレムは「スリーポインテッド・スター」と呼ばれており、それぞれが陸・海・空を表し、メルセデスベンツ社が陸海空全てを制覇するという願いが込められている。制覇しているかどうかは知らないが、一応車、船、飛行機全てを作っているので、とりあえず当初の願いは果たしているようだ。
BMW
バイエリシュ・モトレン・ヴァルケ・アーゲー。日本語に直すと、バイエルン発動機株式会社。いわゆるBMW。もともと飛行機を作っていた会社であり、エンブレムは飛行機のプロペラをモチーフにしており、白い雲と青い空をイメージしている。バイクも作っており、実は車よりもバイクの方が作っている期間長いという、日本で言うならホンダみたいな会社。実際、ホンダ等の日本メーカーが強すぎてBMWのバイクは日本では知名度低いが、実はかなり良い。
キドニーグリルと呼ばれる豚の鼻穴みたいなフロントデザインを伝統的に使用しており、始まりは1933年。実に90年以上同じデザインを踏襲し続けている。ちなみにキドニーとは英語で腎臓という意味であり、由来は左右対称に2つ並んだグリルが腎臓のように見えるから。腎臓であって、豚の鼻穴では決してない。
スポーツ走行に優れたFRとエンジンの気持ちよさに優れた直列6気筒に異常なほどのこだわりを持っており、居住スペース、軽量化などを多少犠牲にしても採用し続けるというこだわりぶり。小型化が難しい直列6気筒エンジンを収めるためにボンネットは長く、靴みたいなシルエットはBMW車の特徴でありアイデンティティ。「駆けぬける歓び」という宣伝文句はダテではなく、楽しい車づくりということにおいては、かなり真面目に取り組んでいるメーカー。比較的アンチが少なく、日本に住む車好きかつ金持ちからこぞって愛されるメーカー。
ラインナップは数字で表されており、基本的に1→2→3→4という感じで、数字が大きくなっていくほど高いと思っていれば間違いない。
実はイギリスのMINIとロールス・ロイスを傘下ブランドとして所有するすごい会社。MINIに関しては特に隠していないものの、ロールス・ロイスがBMW製だと分かるとロールス・ロイスの特徴上、ブランドイメージ的に色々良くないので、極力関係性を隠している。けど、センターコンソールのコントローラー、スイッチ類、ナビの音声など細かいところを見ると結構共通化されている。
アウディ
ベンツの工場長だったホルヒさんが独立して作った自動車メーカー。会社名がホルヒじゃなくてアウディということで、珍しく創業者の名字じゃない自動車会社かと思いきや、ホルヒとはドイツ語で「聞く」という意味であり、「聞く」をラテン語で言うと、「アウディ」結局はここも創業者の名字が由来という自動車会社。ちなみにドイツの会社がなんでわざわざラテン語なんか使ったのかというと、もともとホルヒさん、ホルヒ社という名前の会社を創業し車を作っていたら、天才的なクルマづくりセンスの一方、あまりの経営センスの無さに部下に裏切られ追放された。挙句、自分の名字を使った会社を作ることを禁止されたため、やむなく2つ目の会社は名字をラテン語に言い換えたという苦肉の策。
FRにこだわりを持つBMWとは対照的に、4WDにこだわりを持つ。最近ではLEDヘッドライトの積極的な使用、睨みつけるようなフロントデザインなど多くの自動車メーカーが後に続く潮流を作り出している。
ラインナップは英数字で表されており、基本的に1→2→3→4という感じで、数字が大きくなっていくほど高いと思っていれば間違いない。
ちなみに車はかっこいいけど、賛否両論あるのがロゴマーク。個人的にはダサいと思う。そして、ロゴの由来も前述のベンツやBMWに比べたら単純。実はこのマーク創業当初から使われていた訳ではなく、1929年の世界恐慌時に煽りを受けたアウディ、他のドイツの自動車会社3社と合併することになり、4つの輪はその時の4社を表しているといういかにも単純な話。なんだかベンツやBMWのロゴには結構な熱い思いが込められている感じするけど、あまりにも単純でちょっと拍子抜け。
フォルクスワーゲン
前身はナチス政権が作った国有企業。かなり簡単に説明すると、ヒトラーがポルシェ創業者のフェルディナント・ポルシェ博士に車の設計を依頼したのが始まり。こうして誕生したのがフォルクスワーゲン・ビートル。ちなみに設計者が同じなため、現在でもビートルとポルシェの丸っこい見た目はどことなく似ている。また2012年にフォルクスワーゲンがポルシェを子会社化するということで、歴史的に関係の深かった2社がついに一つになった。誕生の経緯が戦争ということもあり、映画・トランスフォーマーシリーズに使用されることを「戦争を想起させる」との理由からポルシェと並んで頑なに拒否している。
2015年に自動車史上最大レベルの不正をしていたのがバレ、多額の賠償金、ブランドイメージの失墜、深刻な販売台数低下という散々なダメージを受けた。フォルクスワーゲン自体が世界規模のとんでもなく巨大な会社であるため、世界規模の迷惑をかけており、排出した汚染物質の総量は、年間100万トンに及ぶと見られている。しかし、フォルクスワーゲンはドイツ最大の企業であり、ドイツ国内だけで27万人を雇用している上に、ポルシェ、アウディ、ランボルギーニ等々数々の自動車会社を子会社に持つという影響力の大きさから、さすがに倒産には至らない程度の賠償金・罰金の支払いで収束した。ちなみにフォルクスワーゲンと業務提携していた日本のスズキは不正が発覚する1ヶ月前に全ての株を買い戻し、どういう仕組みか難を逃れている。
工場の敷地内で飼っていた豚からソーセージを作ったら予想外に評価が良かったことから、ソーセージの製造も手がけており、ソーセージのパッケージには「フォルクスワーゲン純正部品」と遊び心あふれるプリントをしている。
ポルシェ
フェルディナント・ポルシェ名誉工学博士株式会社。フェルディナント・ポルシェ博士が元々はデザインスタジオとして設立。当初はトラクター、戦車、アポロ計画の月面車などありとあらゆるものを設計・デザインしていた。前述の通り、フォルクスワーゲン・ビートルを設計したのもポルシェ博士。ちなみに根っからの技術者で政治になんてまるで興味なかったポルシェ博士、あのヒトラーに対しても「総統閣下」などの敬称を使わず、「ヒトラーさん」とフランクな呼び方をしていたという天才。ちなみにポルシェ博士もアウディの創業者同様、元々はベンツ出身の技術者。
BMWの車を豚の鼻穴・直6・FRとするなら、ポルシェは一貫してカエル顔の水平対向6気筒RR車を作り続けているメーカー。絶対的な速さを求めるならRR車にメリットは無いというのが最近の通説だが、創業以来のアイデンティティだから引くに引けず、已む無く作っている面もある。ポルシェという会社は、会社全体としてやけに頑固なところがあり、レーシングカーにおいて水冷に比べて不利な空冷を最後の最後まで使い続けたり、あえて自分達に不利なことをわざとやっている感じがある。それでいて、世界一の工業緻密性と故障率の低い車を造るのだから、つくづく面白い会社だと思う。ちなみにドイツの自動車会社は250km/hのスピードリミッターを装着するというメーカー同士の協定があるが、ポルシェだけ加入していない。また17年間に渡り、ゲーム・グランツーリスモにも頑なとして車両出演しなかった。
また、車両価格やプレミア性でポルシェより優位に立つフェラーリやランボルギーニに比べて熱狂的なファンが多いのもポルシェ。というか、ポルシェが新しいことをやろうとすると、この熱狂的なファンたちが「こんなのポルシェじゃない」とか言い張るから、ポルシェがやむなく時代遅れの堅物を作り続けるという面もある。
そんなこともあってか幾度となく経営難に陥るが、熱狂的ファンと歴史的に仲の良い他ドイツメーカーに支えられ、なんとか現在は黒字経営をしている。スポーツカー専業会社へのこだわりは無くなったらしく、SUVやラグジュアリークーペ作ったら異例のヒット続きで、あのランボルギーニも思わず真似するほど。現在は、他のスポーツカーメーカーに先駆けて、完全EVスポーツカーを絶賛開発中。
世界一壊れない市販車というクルマづくりからも分かるように、異常に高い耐久性はレース活動にも活かされており、ル・マン24時間レース歴代最多勝利数を持ち、「耐久王ポルシェ」という異名も持つ。
まとめ
いかがだったでしょうか?なんとなく高そう・・・。って思ってたドイツ車を意外と身近に感じてもらえたでしょうか。確かに新車で買うと高いドイツ車ですが、ものづくりの精度は世界一!中古で買ってしまえば、わずか50万円程度から購入できてしまいます。世界的にも評価される日本の自動車メーカーもこぞって追いかけるほどの品質と信頼性、一度ドイツ車の世界に足を踏み入れてみると、これまで見たことのなかった世界が広がるかもしれません。
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