世界最北端の蒸留所にして、植物も育たないような寒冷の大地、時には風速60m以上ものすさまじい強風が吹くハイランドパーク蒸留所
この厳しい環境で造られたウイスキーは、「最高のウイスキー」と絶賛するウイスキー好きも多い、絶品です
ということで今回は、そんなハイランドパークの特徴、歴史、ラインナップごとの違いを初心者の人にも一から分かるように解説してみようと思います!
ハイランドパークの味や種類/12年・18年・25年・ヴァイキング・ヴァルキリーの違いを解説
ハイランドパークとは?
スコットランド最北端の離島、オークニー諸島にあるのがハイランドパーク蒸留所
名前は「ハイランド」とつくので、一見ハイランド地方のウイスキー?と思いますが、ハイランドパークはアイランズ地方のウイスキー
蒸溜所がハイパークと呼ばれる高台にあったことに由来しているだけで、スコットランド北部のハイランド地方とは関係ありません
そして、ハイランドパークで一番有名なエピソードといったら、著名なウイスキー評論家のマイケル・ジャクソンが「全モルトウイスキーの中で、もっともオールラウンダーで秀逸な食後酒」と発言したこと
1本5000円程度の12年ものウイスキーが、90点という異例の高評価を受けたハイランドパーク
ウイスキーファンなら一度は飲んでおきたい、絶品のひとつです
ハイランドパークの製造場所
スコットランド北部のオークニー諸島に位置するハイランドパーク
世界最北端の蒸留所としても有名で、北緯59度、風速60m以上ものすさまじい強風が吹く、なかなか過酷な場所にあります
中世のオークニー諸島は長らくノルウェーの領地であったため、スコットランドでありながらノルウェーの影響が強い地方。現在も北欧のヴァイキング文化が色濃く残ります
ハイランドパークの歴史
伝説では1798年に、オークニーの地元の英雄であるマグナス・ユンソンが蒸留所を造ったと言われています
マグナス・ユンソンは、肉屋と聖職者を兼業しながら、政府に隠れてスピリッツを密造するという、なかなかに変わった経歴の人物
しかし、勇敢で、勤勉であった人柄から、ヴァイキング文化を象徴する人物として地元の人から愛されていました
しかし、後にジョン・ロバートソンという徴税官に捕らえられ、1810年代に、蒸留所はジョン・ロバートソンの手に渡ったというのが、ハイランドパーク蒸留所に伝わる言い伝え
あまりにも歴史が古すぎて、発祥はもはや伝説の域にまで達している、面白い歴史を持った蒸留所です
ハイランドパークの製法
ハイランドパーク蒸留所周辺は、風速60m以上ものすさまじい強風が吹く場所なので、あまり背の高い植物が育ちません
ということで、蒸留所周辺では、背の低い草花を原料とする独特のピートを採掘するとができます
スコッチウイスキー造りには欠かせない材料であるピートですが、アイラ島など海沿いのピートが海藻やコケなどに由来しているのに対して、ハイランドパークはヒースと呼ばれる草花に由来します
これがハイランドパークのウイスキーに、独特の花のような香りを与えていると言われており、ハイランドパークのウイスキー造りには欠かせない存在となっています
ハイランドパークの種類
ハイランドパーク 12年 ヴァイキングオナー
ハイランドパークで一番お手頃なボトルがこれ!
ウイスキー評論家、マイケル・ジャクソンが90点という異例の高評価をつけたボトルで、1本5000円ぐらいで買えます。90点のお酒にしては、とても安いです!
ハイランドパーク 12年 ヴァイキングオナーをもっと詳しく知りたい人はこちら!
ハイランドパーク 18年 ヴァイキングプライド
一つ下のラインナップにあたる、12年とは雰囲気をガラッと変えて、シェリー樽熟成の原酒比率を大幅に上げたのが18年
シェリー特有の花や果物の香りが、これでもか!というぐらい感じられ、とにかく印象は華やか!
ただ、華やかなだけじゃなく、ビターチョコレートのような程よい苦みや、ウイスキーのスモーク感、ほのかな柑橘の酸味など、とても複雑な味わいで構成されており、ハイランドパークの真髄を味わうことができます
ハイランドパーク フルボリューム
「フルボリューム」という名前の通り、ギターアンプが箱にデザインされたボトル
音楽の制作活動とウイスキーのブレンディングは似ている。というコンセプトで造られたこのフルボリューム
ハイランドパークではなかなか異例な製造方法を採用しており、熟成にはアメリカンオークのバーボン樽のみを使用
バーボンの甘くて荒々しい特徴を引き継ぎながら、ハイランドパークっぽく抜群のバランスで仕上げられています
なんか箱の見た目は安っぽいけど、実は18年熟成のバーボン樽の原酒を使っているなど、味の評価はかなり高いフルボリューム
箱の変な見た目は置いておいて、味わいだけはかなりの高級ウイスキー!
ちなみにピートやバニラなど、ウイスキーを構成する味の要素が箱に描かれたボリュームのつまみで表現されており、意外と芸が細かい・・・
ハイランドパーク ヴァルキリー
ヴァイキング文化に敬意を表したボトルで、オークニー諸島で栽培されるタータン種の大麦を一部使用
また、ボトルのデザインはヴァイキングの末裔が手掛けたり、北欧神話の戦士・ヴァルキリーの名前がサブネームにあるなど、とにかくヴァイキングな1本
味わいは、シェリー由来のアロマ感がたっぷりで、ほどよくバニラや黒胡椒、スモーク感などがバランスよく加わっており、とても絶妙
ハイランドパーク ヴァルクヌート
ヴァルキリーから続く、シリーズ商品の第二弾
ヴァルキリーに比べて、バニラやシェリーの甘さがさらに強調されており、繊細な味わいになっています
ピート由来のスモーキーさはほとんど抑えられ、甘さがメインのボトル
まとめ
「ヘザーハニー」と呼ばれる独特のお花の香りが漂う、北国生まれのハイランドパーク
世界的にもファンが多い、とても完成度の高いウイスキーで、ウイスキー好きなら一度は飲んでおきたい必須銘柄でもあります!
特にハイランドパーク 12年は、わずか1本5000円程度ながら、著名なウイスキー評論家が最高評価を付けた絶品の味わいが楽しめます!
本格ウイスキーを味わってみたいと思っている人には一番におすすめしたい一押しボトルですよ!